クラウド市場の全体感
調査会社のIDC(2015.1)によると、「IDC Reveals Cloud Predictions for 2015」 では、
12カ月から24カ月以内に、IaaSプロバイダが提供するサービスの75%が再設計、再ブランド、あるいは廃止されていくだろう
と予測しています。AWSやMS Azureなどハイパースケール・クラウド事業者が圧倒的にリードし、エコシステムによるスケジュール重視型のモデルを展開する一方で、各クラウド事業者はパブリッククラウド事業からの撤退やサービスの再設計など、大型案件のソリューションサービス重視型モデルに転換してきているという印象をもっています。
Rightscale 2016 State of the Cloud Report 2016.2によると、
世界のパブリッククラウド市場は、AWSが市場の57%を占めていますが、シェアは横ばいとなっています。一方、Azure(IaaS)が2015年の12%から2016年は17%と躍進しています。
世界のプライベートクラウド市場は、VMware vSphere/vCenterは2015年の33%から2016は44% OpenStackとVMware vCloud Suiteが13%から19% Bare-Metal Cloudが2016は15%と市場拡大の傾向となっています。
世界のクラウド利用形態の推移では、クラウドの利用率は横ばい プライベートクラウドは2015年の63%から2016年は77%、ハイブリッドクラウドは58%から2016年は71%となっています。企業の基幹システムなどのクラウド化が進むことで、プライベートやハイブリッドクラウドによる連携が進んでいくことが予想されます。
IDC Japanの予測によると、2015年国内パブリッククラウド市場は2,516億、2019年は5,404億円 2014年国内プライベートクラウド市場は6,196億円、2019年は1兆8,601億円という予測となっています。パブリッククラウド市場よりプライベートクラウド市場は3倍弱となっていますが、プライベートクラウドの市場は市場規模は大きいものの、AWSのような圧倒的にリードする事業者がなく混沌としている中、今後の動向が注目されるところです。