国内のプライベートクラウドとパブリッククラウド市場を比較
調査会社のIDC Japanは2015年9月9日、「国内プライベートクラウド市場予測」を発表しました。
出所:IDC Japan 国内プライベートクラウド市場予測 2015.9
IDC ではプライベートクラウドの市場予測を以下のとおりまとめています。
・ 2014年の国内プライベートクラウド市場は、前年比42.4%増の6,196億円
・ 2019年の市場規模は、2014年比3.0倍の1兆8,601億円と予測
・ 現在、プライベートクラウドに対するユーザーの期待は、ITや業務の効率化であるが、ハイブリッドクラウドにおけるハブ機能や事業拡大の基盤としての役割が同市場の成長をけん引
国内プライベートクラウド市場の内訳は、
「オンプレミスプライベートクラウド」と、ホスティング型プライベートクラウドの「デディケイテッドプライベートクラウドサービス(DPC)」、「コミュニティクラウドサービス」の3つに分類しています。3つの中で、2015年の市場はオンプレミスプライベートクラウドが58.2%を占めています。
パブリッククラウドの市場もみてみましょう。
IDC Japanは2015年8月6日、「国内パブリッククラウドサービス市場予測」を発表しました。
出所:IDC Japan 国内パブリッククラウド市場予測 2015.8
IDC ではパブリッククラウドの市場予測を以下のとおりまとめています。
・ 2015年の国内パブリッククラウドサービス市場は、前年比29.5%増の2,516億円の見込み
・ 2019年の市場規模は、2014年比2.8倍の5,404億円と予測
・ パブリッククラウドサービスは、ユーザーの「デジタル産業革命」を促進すると共に、ITベンダーとユーザーの関係性にも影響を与える
2014年以降は、既存の業務アプリケーションをIaaS上に実装し、稼働させるクラウドイネーブルドの動向が加速傾向にあり、業務アプリケーションの稼働に必要なミドルウェアやシステムインフラソフトウェアのIaaS上での動作検証やライセンス体系の整備も進んでいることが紹介されています。
国内のプライベートクラウドとパブリッククラウドの市場予測を比較してみましょう。
2014年、2015年の市場(見込み)
・2014年の国内プライベートクラウド市場:6,196億円 (前年比42.4%増)
・2015年の国内パブリッククラウド市場: 2,516億円 (前年比29.5%増)
2019年の市場規模予測
・国内プライベートクラウド市場:1兆8,601億円
・国内パブリッククラウド市場: 5,404億円
以上のように、市場規模は、おおよそ、プライベートクラウドがパブリッククラウドの市場の3倍弱の規模となっています。また、2015年の成長率をみても、パブリッククラウドの29.5%に対して、プライベートクラウドは42.4%と高い成長率となっています。
プライベートクラウド市場では、オンプレミスプライベートクラウドの比率が高いことから、単純に比較するするのは意見が別れるところかもしれませんが、市場規模が大きく、成長率も高いプライベートクラウドの市場に対して、どのように展開していくかは、IT業界にとっては大きなテーマの一つとなるでしょう。