データセンターガイド2015 冬号に
クラウド競争時代「日本のデータセンターの生きる道」という特集が組まれていました。
アマゾンやグーグルなどの海外勢が巨大なデータセンターによる規模の経済を生かしたビジネスを展開する中、日本の事業者はいかにして強みを発揮し、ユーザに高い価値をもたらすデータセンターを提供できるかというテーマで解説をされています。
海外勢がリードする中、日本国内におけるデータセンター市場の年率の平均成長率は世界と比較してもかなり低い状況となっています。
日本のデータセンターの目指すべき方向性としては、
①海外勢とは一線を画した高品質な運用サーポートやサービスで差別化
②地方型/郊外型データセンターによる価格競争力の向上
の二つを中心に、その方向性を示しています。
読んでいて参考になったのが、Part4の「キーパーソンが語る、日本のデータセンターのあるべき姿」で、さくらインターネット、ビットアイル、エクイニクス・ジャパンの社長が登壇されたパネルディスカッションです。
昨今の流れとしては、モバイルや動画系のトラフィックが急増しており、ハイパージャイアントと呼ばれる動画配信などの海外事業者の存在が大きくなっている点をあげています。またレイテンシ―と都市集中の問題、地域IXの必要性、エネルギー問題への対応など多岐にわたっていました。
クラウドサービスの市場拡大に伴い、データセンターは国内においては当面成長基調にあります。しかしながら、世界の市場と比べると日本のデータセンター市場の成長率は低く、少子高齢化による高齢化による国内市場の縮小、データセンターの老朽化が進み、さらにはデータセンターの建設過多に伴う供給過多も今後はクローズアップされていくでしょう。
国内事業者で海外に10以上のデータセンターを展開しているのは、おそらく数社程度かと思いますが、国内の事業者が生き残りをかけていくためには、海外へのデータセンターの事業展開が重要な選択肢の一つとなっていくと考えています。
林 雅之
2015/01/09 05:55:25