Web2.0利用ユーザ増加と通信事業者の葛藤
YouTubeやニコニコ動画等の動画コンテンツを利用するユーザが増え続けています。また、ブログやSNS等の利用ユーザも着実に増え、インターネットのトラフィック(通信量)は、増え続けています。
総務省は、8月22日、「今年5月における国内のインターネット・トラフィックの試算・集計結果」を報告しました。通信量は、昨年5月と比べて1.7倍となっています。この1年間の通信料の増加は、Web2.0利用ユーザの増加、つまりYouTube等の動画投稿が増え続けたのも一つの大きな要因になっています。
国内のプロバイダーの何社かは、プロバイダー料金の値上げをしました。国内においては、インターネット利用ユーザ数は、落ち着いている状況でトラフィックが増え続ければ、同じ収入の中でインターネットのバックボーンを増強していかなければなりません。通信事業者にとっては、収益にも影響するので死活問題にもなるでしょう。
欧米においては、この議論はかなり白熱していますが、日本においても総務省は、「ネットワーク中立性に関する懇談会」を主催し、意見を募集や様々な情報交換を実施しています。また、日本経済新聞(9/16)の一面を読むと、総務省は、映像配信事業者と通信事業者等の紛争を裁判ではなく、第三者委員会で解決できるように制度改革をする方針です。
Web2.0と言われるように、コンシューマが動画を含めた様々なコンテンツを発信し、共有する流れは、著作権の問題等はあれ、非常に好ましい姿と私は考えています。しかしながら、ユーザが増えずにこれ以上トラフィックが増えていけば、通信事業者は、やむなく値上げをしていくか、もしくは映像配信事業者に何らかの対応をしていかざるを得ないでしょう。
Web2.0に関する記事をブログで書いており、かつ通信事業者で働いている私にとっては、この駆け引きは目が離せないテーマの一つでもあります。