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中国Xiaomi(シャオミ)の成功の理由はAppleのパクリ(だけ)じゃないことが分かる本

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アイティメディアの読者様なら、中国のモバイル端末メーカーXiaomi(シャオミ、小米科技)の記事を目にしたことがあると思います。イメージとしてまず浮かぶのは「おいおい、このWebサイトはまるでAppleのパクリじゃないか」というところでしょう。だって、こんなだったんだもん。xiaomi.jpg

でも、いい人っぽくて好きだったGoogleのヒューゴ・バーラがXiaomiに入社したとき、「ただのパクリメーカーにヒューゴ様が入社するはずない」と、どんな会社かちょっと調べたのでした(その時に書いたのがこちらの投稿)。

それ以来、おもしろい会社だなぁとは思っていましたが、なんと、中の人(共同創業者)が書いたXiaomiの本が日本語で読めることになりました。じゃーん。IMG_20151018_140301.jpg

米IT企業関連の翻訳本を多く手掛ける日経BPの敏腕編集者、中川ヒロミ氏が「急成長の謎が知りたい」と初の中国本を(で、1冊いただきました。上の写真、左は別の本にカバーかけました)。

中国では電子版を含めると150万部のベストセラーだそうです。

中国のAmazonの書評(1208件もある!)を見ると、マーケティング本ととらえる人が多いようですが、ガジェット好きな人や純粋なXiaomiファンらしき人にも人気みたいです。

原書のタイトルは「参与感」。中国語で参加意識という意味です。Xiaomiの方針は、製品を買ってくれる人を顧客とかユーザーとかではなく、仲間とみなして取り込んで会社とユーザーが一緒に楽しみながらコミュニティーとして成長していくというものなので、それを表しています。

本書では、その仲間(Xiaomiは「ファン」と呼ぶ)の取り込み方を具体的に説明しています。様々な種類のソーシャルサービスを目的別に使い分け(LINEぽいものはサポートに、Facebookみたいなものはキャンペーンに、ニコニコ動画みたいなのは製品紹介に、など)、広告コストはほとんどかけずに6000万人のユーザーファンを獲得しました。

マーケティングにソーシャルサービスを採用することなんて、日本の企業でもやっていることではありますが、Xiaomiのいいところは、本当にファンを仲間だと思っているところです。ソーシャルサービスの怖いところは企業の本音がすぐにばれちゃうところ。だから、この本に書かれていることをまねっこしても心がこもっていなければうまくいかないでしょう。そういう意味ではマーケティングの、というより心意気の参考書かも。

私は、テクノロジーやガジェットが本当に大好きな若者たちが、おもしろがりながら会社を大きくしていくお話として読みました。成功企業の黎明期のストーリーはHPDellもAppleもPalmも、わくわくするので大好き。

コミュニティーというものは、大きくなるにつれ、参加意識を保つのが難しくなるものです。グローバル市場に足を踏み出したXiaomiがさらに成長していくにはどうするのか、今後の展開に注目したいところです。

というわけで、「シャオミ 爆買いを生む戦略 買わずにはいられなくなる新しいものづくりと売り方」は現在、Amazonで予約受付中です。IT企業ストーリーが好きな方にお勧め。カラーを含む写真も満載で(元書籍編集者としては)これで1800円(税別)って大丈夫ですか、とびっくりするほどお買い得です。

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