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Google+誕生と悪戦苦闘(そして終焉?)の物語 by Mashable

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Googleは大企業になってもイノベーティブですごい、という印象もありますが、実はいっぱい失敗もしています。

どうしてもうまくいかないのはソーシャル。その失敗の歴史はそれだけで本が書けそうなほど(読みたくないけど)。それなのになんでまた、Google+を立ち上げ、誰が見てもうまくいっていないのにずっと続けてきたのかを、米Mashableが日曜日用読み物として記事にまとめています。

今は世界中を旅してときどきGoogle+に美しい風景写真を投稿しているヴィク・ガンドトラさんが、ラリー・ペイジCEOの覚えがめでたかったのが大きいようです。一時期は毎年のGoogle I/Oをガンドトラさんが仕切っていました(下の画像)。vic2.jpg

ガンドトラさんは2010年ごろからずーっとペイジCEOに「FacebookはいつかGoogleを殺す」と主張し続け、「SNSを立ち上げるかすべてを失うかだ」と言っていたそうです。

2010年というと、Facebookのユーザー数が5億人にふくらんだころです。ガンドトラさんの危機感はまっとうです。Google+立ち上げの3カ月後、Facebookはユーザー数が8億人を突破したと発表しました。

でもそのころ、まだFacebookはモバイルにシフトしていなかったので、もしGoogle+をそっち方向に特化させていたら成功したかもしれないのに、とMashable。

でもガンドトラさんは、ソーシャルにあんまり関係ない機能を追加(フォトとか)したり、ユーザーを増やそうと無理やり他のサービスを使うのにGoogle+のアカウントが必要なようにしたりして迷走しまくりました。

「居心地のいいナイトクラブの隣に新しいクラブをオープンしたって、どんなにインテリアが良かろうがメニューがちょっと良かろうが、誰もわざわざ新しい方に移ろうとはしない。Googleはそれを理解できなかったんだ」とGoogle+でユーザー体験を担当していたある元従業員は語っています。つまり、Facebookと同じようなSNSを目指している限り、どんなに機能を追加しても無駄だったと。

ガンドトラさんが去ってもう1年以上。同社のベテラン、ブラッドリー・ホロヴィッツさんがGoogle+担当になったのは、敗戦処理のためだけなんでしょうか。ホロヴィッツさんは担当就任に際してGoogle+をフォトとストリームに分割し、ストリームはソーシャルに特化させて継続すると言っていましたが、いまだにGoogle+の名前は変わっていません。

最近、Google+のプロフィールを他のサービスと切り離すという発表をしたときには、「Google+は世界中の人々が自分が愛しているものを共有するのを助けることにフォーカスする」とホロヴィッツさんは説明しました。

これについてMashableは、FacebookではなくPinterest的になっていくという意味だと解釈しています。

いずれにしても、Google+を終了します、という発表はなく、ひっそりいつの間にかストリームという名称に変わったGoogle+が、いつの日か"春の大掃除"の長いリストに紛れ込むんじゃないかな、というMashableの予測があまりにもリアル過ぎて1人深くうなずいたのでした。

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