音楽は「所有するもの」から「アクセスするもの」へ(でもLPの匂いが好き)
国際レコード産業連盟(IFPI)によると、音楽との接し方がどんどん「所有する」から「アクセスする」に変わってきているそうです(という記事を書きました)。
つまり、CDとかダウンロードして音楽を手元に置くのではなくて、YouTubeのアーティスト公式チャンネルの無料動画や(日本に来そうで来ない)Spotifyのようなストリーミングサービスで音楽を聴くことが多くなっているということです。
物心ついたときには既にオンラインで音楽が聴けてたという世代は、最初からCDなど買わないのでストリーミングオンリーでも抵抗がないんだとか。
音楽を所有するという発想がそもそもないって、レコード世代の私にはどんな感じなのか想像もできないです。
女子高生だったころ、「横浜のチベット」と呼ばれていた緑区から横浜駅近くの学校に通っていた私にとって、下校途中に西口の通路にあった輸入盤レコード屋さんの「すみや」のバーゲンでLP(CDじゃなくて、レコードです)を買うのがたまの贅沢でした。帰りのバス(横浜市営95系統)の中で裏ジャケを読みながら「早く聴きたい~」とわくわくしたもんです。
この間自宅をリフォームしたとき、1000枚以上あるLPとCDを移動させる作業中にジャケットを見ちゃって、曲と一緒に当時の気持ちやら風景やらがいろいろ思い出され、しばし手がとまりました。
それがいいことかどうかは分かりませんが、モノにはそういうイメージ喚起力があります。
高校生のころにストリーミングだけで音楽を聴いていたとしたら、30年後の自分は当時の自分がどんな音楽を好きだったのか、覚えていない気がする。それはちょっとさみしいかも。最初からそれが当たり前なら、さみしくもないんだろうけど。