オルタナティブ・ブログ > 海外速報部ログ >

海外記事、ブログ、記事にならない情報について、ITmedia エンタープライズ海外記事担当から一言

Appleの“情報筋”対策や独特のメディア対応の内幕記事がおもしろい

»

Apple製品についての愛ある情報を発信する米ブログメディア「9TO5Mac」のマーク・グルマン記者が、多数のApple関係者へのインタビューをもとに2カ月かけて書いた「Seeing Through the Illusion: Understanding Apple's Mastery of the Media」という記事。面白かったんですが長いので、興味のあるパートをピックアップして読めるように9つのパートの概略をまとめてみました。パート名にリンクを貼ってあるので、どぞ(英語だけど、分かりやすいです)。

岩谷ゆかりさんの影響なのか、地道な取材の成果という感じの力作。もしかして本も出版するつもりなんだろうか。

パート1:基調講演も“製品”
見応えのある基調講演の舞台裏が詳しく紹介されています。
本番さながらの通し稽古や記者からの不躾な質問から幹部を守るための“私服ガードマン”の話など。

パート2:PRチームの内訳
5つのチームにわかれたPR部門とその具体的な統括者名。

パート3:「この件に詳しい情報筋」対策やジャーナリスト操作 
例えば2009年、iPhoneの好意的なレビューを書かせようとAppleは当時Gizmodoの編集長だったブライアン・ラムに対し、Appleは「(WSJ)のモスバーグより先に貸してあげるんだよ」とありがたがらせようとした、とか、具体的な話が満載。

パート4:“暴君”ケイティ・コットンの引退
ジョブズ氏のゲートキーパーとして知られたケイティ・コットンが“家族との時間を大切にするため”退職した背景。ジャーナリストに恐れられていたのは有名ですが、社内でも一部の部下に暴君と呼ばれていたそうです。

パート5:ケイティの後継者は?
ケイティ・コットンは後任が決まらないまま退職したんですが、後任候補としてはジャーナリスト上がりのスティーブ・ダウリングと“ケイティジュニア”と呼ばれるナタリー・ケリスの2人の名前が上がっています。それとも5月にオバマ大統領の報道官を辞任したジェイ・カーニーを迎える、といううわさも。

パート6:過去3つの論争とその対応
マップ問題Beats買収のリーク「沈みゆく帝国」に対するAppleの対応について。

パート7:発表前の製品を貸してもらえるメディアはどこ?
米国のメディアについてだけですが、どこ(あるいは誰)が貸してもらえているかの時系列の表だけでも必見。iPhone 4の流出プロトタイプの記事を書いたGizmodoは当然貸してもらえなくなっています。

パート8:ジョブズ流プレスリリース
ジョブズ時代はすべてのプレスリリースをコットンとジョブズがチェック・修正していたそうな。あと、他社との提携についての発表は必ずAppleからするというしきたりは今でも続いていますよね。

パート9:Appleはもっと(メディアに)フレンドリーになる?
iPhone 4流出事件以来、コットンさんが閉めだしていたGizmodoにも9月9日の発表イベントの招待状は来たそうです。誰がAppleのPR部門の次のトップになるかはまだ分かりませんが、これまでよりはフレンドリーになりそうですね。

Comment(0)