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ジョブズの呪縛から抜け出しつつあるクックの行き先がどこであれ、帝国の存続を願う

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今日のAppleの取締役交代、記事のタイトルとしては「Apple、BlackLock創業者を取締役に」と、ワグナーさんを主役にすべきところだった(WSJZDNetはそうなってた)んですが、昔からAppleを見てきた1人としてはキャンベルコーチの退任が感慨深くて「故ジョブズ氏の盟友、ビル・キャンベル氏がApple取締役を退任」というタイトルにしちゃいました。

ジョブズの理解者がAppleを去るのですから。

昨日、ダウ・ジョーンズ主催の「沈みゆく帝国」の著者、ケイン岩谷ゆかりさんとWSJ日本版編集長の小野由美子さんの対談を聴いてきた(サイバーエージェントでの対談に続けて、追っかけ状態です)だけに、感慨もひとしおです。

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ジョブズが生前クックさんに、「ジョブズだったら、と考えるな」と言ったというのは有名な話です。ジョブズはたぶん「真似しようったって俺様の真似は誰にもできないんだしさ」とも思っていたでしょう。

それでも最近までクックさんは「Appleは変わらない」と言い続けてきました。まるでジョブズの亡霊に取り憑かれているかのように(岩谷さんの著書の原題は「Haunted Empire」、取り憑かれた王国です)。

岩谷さんは、Beats買収で、ようやくAppleが変わってきたと思ったそうです。IBMとの提携も、ジョブズだったら絶対しなかったでしょう。「面白くはないけれど、クックらしさが出てきた」と岩谷さん。

クックCEOは、ジョブズ時代は不要(ジョブズが勘で決めてたから)だったM&A担当者を採用し、Beatsの買収はその成果だと岩谷さんはおっしゃいました。

そして、キャンベルと交代して取締役になったワグナー女史は、ばりばりM&Aな人です。

この取締役交代で、クックはまた一歩ジョブズの陰から踏み出したようです。

もしかしたら、Appleはもう、あのキラキラしたAppleではなくなるかもしれません。でも、リーダーがイノベーティブではない以上、普通の優良企業としてでもいいので生き延びてほしいです。

「レガシーを美化していてもしょうがない」という岩谷さんの言葉が印象的でした。

ちなみに、岩谷さんと小野さんの対談は、前日のdanboさんとの対談とはまた違った展開で、ジャーナリスト同士(しかも小野さんは岩谷さんの元上司)の会話がとても興味深かったです。そのあたりは岡田有花記者が来週あたり記事にしてくれそうなんで、そちらをどぞ(そればっかり)。

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