Facebookが買収するWhatsAppのCEOはウクライナ出身の苦労人
前からうわさはありました。FacebookがWhatsAppを買収するって。でも160億ドルってだいたい2兆円ですから。いやはや。
アイティメディアの記事タイトルにはLINEの競合、なんて書きましたが(そうしないと日本の人には分からないと思ったんで)、世界ではLINEよりユーザー数が多いFacebookメッセンジャーにとっての脅威です。
今読んでるTwitterの内幕本にもTwitterに買収を持ちかけてきたザック(マーク・ザッカーバーグCEO)とのやりとりが出てくるんですが、WhatsAppのことも同じようにニコニコしながら脅したんだろうなぁ。
Snapchatの若きCEOはこれをはねのけたわけですが、WhatsAppの37歳のジャン・コウムCEOはいろいろ条件をつけて合意したんでしょう。
このコウムCEOの生い立ちを、Forbesが紹介しています。(下の写真の右がコウムで左は共同創業者のブライアン・アクトン)
政治的に不安定なウクライナのキエフ出身のユダヤ人。16歳のときに母親とともにマウンテンビューに移民してきました。Googleのサーゲイ・ブリンとちょっと似ています。彼はソ連から亡命してきたユダヤ人。ふたりとも、だから、検閲とか政治的な弾圧とかの問題に敏感です。
ジャンくん、マウンテンビューの高校生時代はちょっと問題児だったけど、コンピュータに興味を持ち、ハッカーグループに入ってNapsterのショーン・ファニングとチャットしたりしてたそうです。
大学生のときにWhatsAppの共同創業者のブライアン・アクトン(当時Yahoo!の44番目の社員)と出会い、意気投合してYahoo!に就職(まだ学生なのに)。2人でWhatsAppのアイデアを育ててスピンアウトした、とそんな感じです。
記事にも書きましたが、コウムはWhatsAppのユーザーに対し、Facebook傘下になっても何も変わらない。広告も出さないと断言しています。私はそんなことできるんだろうか、と半信半疑でしたが(Yahoo!に買収されたTumblrだって当初はそう言ってた)、検閲を嫌い、プライバシーや人間の権利を大事にするコウムだったら本当に守るかも、と思い直しました。
ただ、そうするとザックにとっての買収の意味はなんなんだろう。放っておいたら巨大化する企業を傘下に入れて、勝手に収益をあげてくれればいい、ということなんだろうか。
FacebookメッセンジャーにWhatsAppのいいところを取り込んで、WhatsAppは飼い殺しにするとか?
お話はこれからです。