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「不恰好経営」を読む やっぱり企業は人だとしみじみ

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昔々(2000年くらい)まだ書籍の編集稼業だったころ。シリコンバレーの起業家たちの話が面白くて、何冊か翻訳書を出しました。PalmとかNapsterとか。それぞれ、人間臭くて、すったもんだの連続だけど目標に向かっていくところが眩しいのでした。

DeNAの創業者、南場 智子さんの初の著書「不格好経営―チームDeNAの挑戦」は、そうしたシリコンバレーの起業話に勝るとも劣らない、スリルとサスペンス(はないか)に満ちた内容です。

DeNAを初めて知ったのは2000年初頭。ベンチャーキャピタルについての翻訳書の監修をお願いしたベンチャーキャピタリストの村口和孝氏のポートフォリオにDeNAの名前があったのです(村口さんもこの本の最初の方にかっこよく登場します。胸熱)。若い女性のベンチャーなんてかっこいいなぁと思ったので、それからニュースに出るたびに応援してました。

ご本人は「不恰好」とおっしゃってますが、人を大切にする社風が伝わってきて全然かっこ悪くないです。そして、これから起業する後進のために惜しげなく失敗談を紹介する心意気も伝わってきます。オークションで始まった会社なのになぜいつの間にモバイルゲームメーカーに?というのも、なぜ今球団を?も、すべて人中心に考えれば自然な流れ。

だんなさんの発病ですぱっと優先順位を変更した場面ではぐじゅぐじゅ泣いてしまいましたよ。本を読んで泣くのは久しぶり。「旦那の病状がひとまず落ち着きましたので、現場に戻ることにしました」とのこと、何よりです。知り合いでも何でもないんですけど、だんなさんの健康と南場さんの今後のご活躍を心から祈ります。

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