Facebookのグラフ検索の使い道 でもその前にそもそも
Facebookが1月15日に本社キャンパスで大々的に発表したのは、オリジナルスマートフォンではなく、「グラフ検索」でした。先ほど記事を掲載したんですが、たぶん、あんまりピンとこないだろうなぁと思います。
Facebook内検索なら提携しているMicrosoftのBingのエンジンで検索すればいいじゃん、と思うかもしれないですが、これはなんといえばいいか、検索してトップに出てきたものをクリックするというWeb検索と違って、検索結果全体が情報になるというか。説明下手。具体例を挙げてみます。
「うちの近所で評判のいい歯医者さん」と検索すると、たぶん、いいね!が多い順、しかも、友達になっている人がいいね!している場合は優先度高で歯医者さんがずらっと表示される(たぶん、自宅からの距離も加味されてる)。
「中華料理のシェフが好きな横浜中華街のレストラン」で、プロが太鼓判を押すレストランがずらっと表示される。
それでもって、うまいこと役に立つ結果になったら、これにタイトルをつけてレストランガイドとしてFacebook上にページとして公開できる、というところがちょっと面白いかも。結果には編集を加えることもできます(自分が行って失敗だったと思うレストランを削除するとか)。
ちょっと便利そうだと思えましたか? 面白そうでしょ?
でも、1つ大きな前提があります。それは、10億人のユーザーがばんばんとあらゆるものに「いいね!」している、ということ。
上の例だと、うちの近所で虫歯になったことがあって、(勤務先ではなく)近所の歯医者さんに行ったことがあって、しかもその歯医者さんが公開している情報(これはFacebook上じゃなくても多分OK)に「いいね!」した人がたくさんいて初めて役に立つ情報になります。
中華料理のシェフで、Facebookユーザーで、自分の競合になる中華料理店をきちんと評価できる人がどっさりいることが前提になります。
例えば、マーク・ザッカーバーグがどんだけいいね!しているかというと、それほど多くないです。音楽は16アーティスト、本は2冊、映画は13本、というところ。「CEOが読んでいる書籍」と検索するとザックの読んでる本は2冊(ちなみに「エンダーのゲーム」と「プラトン」)出てきます。多分。
そうそう、私のようなフリーで仕事している人は、Facebookで仕事をもらおうと思うならプロフィールをちゃんとしておいた方がいいでしょう。例えば「東京在住の翻訳者」と検索したときに検索結果に出たら仕事につながる可能性があるので(下は「journalists」の検索結果。住んでいる場所や学歴、所属などでフィルタリングできます)。
友達の評価が検索結果に反映される、という点では、似たようなことはGoogleもやっています。オプトインですが、Google+の友達が+1しているコンテンツは検索結果のランキングが高くなるんで。こちらの問題点もグラフ検索と同様に、そもそもGoogle+の友達がいっぱいいて、その友達がいっぱい+1していないと意味ないというところです。 グラフ検索は、懐かしのGoogle Waveの立役者、ラーズ・ラスムセンおじさんがかかわっているので(もう1人の責任者、トム・ストッキーも元Googler)、機能的にはとっても素敵なものだと思います。どう収益につなげるのかはまだ分かりませんが。