マーク・ハード氏はHP Wayになじまない経営者だったらしい
ごたごたとかいざこざとかを紹介するのはあまり楽しいことではないですが、乗りかかった船というか、自分でもHPのハード氏辞任の顛末が気になるので、その後分かったことなどを書いておきます。
「その後」についてはWall Street JournalやCNETが追っていますが、個人が運営しているグループブログのSiliconAngleが詳しいのでこちらを紹介します。
このブログの運営者、ジョン・ファリア氏が複数のHPの中の人からの情報からまとめた結論をさらにはしょって言うと、ハード氏はそもそもHPの企業文化に合わない独裁的な経営を行ったことでHP社内では嫌われていたんだそうです。先代CEOのフィオリーナさんも、その“パワープレイ”が災いして首を切られたのですが、ハード氏も“頭に銃をつきつける”経営スタイルだったと(HP Wayは“社内を歩き回って社員の声を聴く”経営で有名です)。
ハード氏がHPを立て直したのは確かですが、だからこそ本人は多少のことは許されると思ったようですが、従業員も取締役会もそれを許せなかったようです。
フィッシャーさんのスキャンダルは、ハード氏を辞任に追い込むための手段だったということですね。そんなことをしないで、Appleがジョブズを追い出した時のように、真っこうから「くび」と宣告することはできなかったんでしょうか。
「セクハラの事実はみつからなかったけど辞任」という不自然な話になったのは、ハード氏が取締役会の調査を阻止するためにフィッシャーさんにお金を渡し、口止めしたからのようです。でもそのくらいのことで後に引き下がるつもりは取締役会側にはなかったのでした。4000万ドル支払ってでも、ハード氏に辞めてほしいというところまでいってたんですね。5年でそこまでこじれるってすごいなぁ。よくあることなのかもしれませんが。
8月19日には同社の5~7月期の決算発表があります。これ以上株価が下がらないようにするためにも、HPは「ハード氏がいなくても全然問題ない」というアピールをする必要があるでしょう。もしかしたら「ハード氏はこんなにだめな経営者だったんだよぅ」と言う必要もあるのかもしれません。いやだなぁ。
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