オルタナティブ・ブログ > 小池智和の「B2Bマーケティング力」 >

プロモーション施策から営業マンまで、B2Bマーケティングの進化を考える

B2BのWebマーケティングにおける[効果検証]とは

»

一概に言えませんが、
Webでキャンペーンやプロモーションをして
Webで購買まで導けるECサイトなどと比較して、
B2BのWebマーケティングの効果検証は、やはり特徴が違います。

いくつかあると思いますが、主な特徴・ポイントは3つ。

①コンバージョンまでに至ったCPA(獲得の費用対効果)だけではなく、
 営業マンが受注までに至ったCPO(オーダーの費用対効果)を測る必要がある

②Webサイトへの導きに成功したとしても、その後のアクションは
 必ずしもWeb上でする訳ではなく、電話で営業に問い合せることも多い

③購買検討期間が長く関与者が多いため、
 Web広告実施後の効果検証すべき期間も長くなる


では、どのような対応をすれば効果検証が出来るのか、
答えは一つではないし状況によっても変わりますが、
我々は下記のような考えを持っているし実践しているし提案をしています。

まず①については、やはりしつこいですが、SFAしかないでしょう。 コンバージョン数が数十であれば、会話とか頭の中とかエクセルとかで対応は出来ますが、 数百ともなってくると、その [アポイント 商談 受注] などのステイタスを リード1件1件営業マン一人一人追っていくのはほぼ不可能です。

弊社も昔は、「誰かが受注した」というのを販促担当者が嗅ぎつけて、
「その受注のキャンペーン起因は何だか覚えてます?」
「うーん、何だったっけなあ・・」
「もしかしたら、2月のセミナー?じゃあ、それで」
みたいな感じでした。

SFAを導入しただけでは解決しないですが、少なくとも普通に入力更新すればある程度可視化出来ます。


次に②ですが、皆さんも経験上、
会社の、グループウェアや人材研修やコンサルティングなどを導入したいと考えて
Web検索をした後、興味が湧いたら、資料請求のためのプロファイル登録をせずに
電話をして営業マンを呼んだりしたことありませんか?
実は、経営者である程その傾向が強いようです。
リサーチ、過去にしたことがあります。
なんと、(複数回答ですが)半数の方は、電話で問い合わせしたことがあるようでした。

Photo

なので、一つは電話番号を記載すること。
そしてその電話番号は、代表電話などではなく、ランディングページ専用にしておくこと。
「いちいちユニークな電話番号を取得出来ないよ」という方がほとんどだと思いますので、
最近は、ペイパーコールのような仕組みもあるし、
弊社でも<フリーダイアル電話番号付与1件1000円で、その番号への着信を自動カウントする>
サービスもあります。

こうすれば、Webを見た後に電話をかけていただいた件数や着信先をレポートで検証出来ます。


最後に③ですが、一つはアクセス解析ツールの機能の「アシスト機能」を活用しましょう。

例えば、最初に「グループウェア」と検索した人がリスティング広告で表示された
“サイボウズ”さんをクリックしそこで存在を知り、
そのサイトをブックマークするかもしくは後日「サイボウズ」と検索して
その時は自然検索から入ってコンバージョンした場合、
『リスティング広告の広告効果なのに、リスティングの貢献は隠れて』しまいます。
それだけならいいですが、“広告効果が無い”と判断しSTOPしてしまうと、
今後このようなコンバージョンは無くなって
いきます。

こうしたことを可視化・検証出来る機能が「アシスト機能」(違う呼び方のツールもある)で、
仮に上記のようなことが起きても、クッキー情報を元に、
「3ヶ月前にリスティング広告で入った方が、自然検索から入ってコンバージョンした」
を表示してくれる訳です。

もちろんこの機能は、B2Bに特化したものでもなく、B2Bでもかなり活用出来ますが、
購買検討期間が長いB2Bではさらに発揮すると考えています。


最近、本当にこの、効果検証が重要視されていますし、
気にし始めたお客様が多くなったと感じます。

背景はもちろん、“本質的なマーケティングをしたい”にあると思っていますが、
別の背景としては、
・広告費をザルのようには使えない
・Webの特性を活かさないと、「アナログの手法と同じ」と言われ
てしまう
というのが、お客様側にも提供者側にもあるような気がしています。

いずれにしても、マーケッターにとって、効果検証は最も大事な仕事ですが。

Comment(0)