オルタナティブ・ブログ > Allegro Barbaro >

開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

モバイル開発最前線のベンチャーで感じるマーケットの変化 その1

»

スマートデバイス向けアプリの開発やコンサルティングサービスなどでモバイルファーストを実践する株式会社ソニックス。エンバカデロでも、DelphiのAndroid向け開発対応の動作テストなどで、同社が提供するクラウドベースによるモバイルテストプラットフォーム「Scirocco Cloud」(シロッコクラウド)を利用するなど、関係があります。

今回、12月10日に開催される「第27回 エンバカデロ・デベロッパーキャンプ」でも、モバイルファーストをテーマに講演いただくので、打ち合わせを兼ねて渋谷のソニックスオフィスを訪問しました。

ベンチャーでマーケティングを推進していくパワーはプライベートにあり?

お出迎えいただいたのは、マーケティングの武藤さんと今回講演いただく今津さん。お二人の趣味をうかがうと、そのパワーに圧倒されました。武藤さんは、素潜りの日本代表選手。対する今津さんは、ドライブが好きで、ロサンゼルス‎からテキサスまで2500マイルあまりを運転したことも。

「2日間まるまる走っていたんですけど、『クレイジーなやつが来る』と到着する前に有名になっていました。」(今津さん)

マーケティングという仕事と、これらの趣味は、一見関連性がないように思えますが、17年もマーケ界隈を経験している自分としては、ピピッと来るものがありました。

「つまりは、うまくいかなかったことがあっても、一瞬の判断で立て直さなければならない。大成功しなくてもいいから、決して失敗しないようにする。しかもそれを走りながらやらなければならない。そんなところがお二人の趣味とマーケティングの仕事って共通していると思いません?」(藤井)

「そうですね。海では、120%の準備をして臨んでも、一瞬でそれがゼロになるときがあります。でも、そこで動揺してしまっては、命にもかかわります。ゼロになっても対応できる適応力が求められますね。」と武藤さん。

Sonix1s

こんなすごい趣味を持っている武藤さんも、今は仕事に全力投球して、ワクワクする体験をしているそうです。

「はじめは、モバイル系のベンチャーは今まで所属していたエンタープライズ系のSIerとは別世界だと思っていましたが、モバイルのニーズがエンタープライズ分野にも急速に広がってきていることを実感しています。」(武藤さん)

企業がスマートデバイス向け開発に本気で取り組んでいる

確かに、1年前と半年前、そして現在では大きく企業の取り組みが変わってきていると感じます。エンバカデロでも、モバイル向け開発をサポートするようになって、さまざまな企業とスマートデバイス導入についてお話しするようになっています。

「一年前には、まだこれからという状況。半年前、ちょうどDelphiがiOS対応した頃には、画面まわりについて、どのように作るかという話題が盛んでした。でも、その後実際の開発に着手していくと、バックエンドとのつなぎが大事だということに気づくようになっています。」(藤井)

「そうですね。そこがまさにモバイルファーストの重要な部分だと思うんです。画面の見た目だけでなく、データの連携も含めてどのように設計していくか、そしてその中で、どのように品質を担保していくかということが、今私たちがお客様にアドバイスしていることなのです。」と今津さん。

Sonix2s

これまでのモバイル開発は、従来の企業向け開発とは異なり、短期間で作ってすぐにリリース、問題があればどんどん直していくという感覚でした。企業向けの開発は、このようにはいかないケースが多いわけですが、かといって、従来型の開発プロセスでは、多様性のあるモバイル開発には迅速に対応できなくなります。

ソニックスでは、モバイルファーストを実践するためのガイドラインも配布しており、企業がモバイル開発に取り組む支援をしているそうです。

モバイル向け開発の市場は、企業が本格的に取り組み始めるとともに、エンバカデロのように充実したツールも登場しつつある、まさに今変化する市場であるといえます。そんな変化の激しい現場で働くお二人がこれまで経験してきたお仕事を伺うと、面白い事実が浮かび上がってきました。(後半へ続く)

Comment(0)