なぜビジネスにも音楽が? - 永井千佳さんの取り組み その1
このブログでは、ときどき音楽の話題を取り上げてきました。そして夏のこの季節になると、演奏会も控えていたりと、個人的には音楽モードが高まってきます。そこで、今回は、同じオルタナティブブログにて、音楽の話題で活躍されている永井千佳さんにお会いしてお話しを伺いました。
永井さんは、音楽活動のほかに、企業でのビジネス・ボイストレーニングなどにも取り組まれており、「合唱チームビルディング研修」といったユニークな研修も行っています。
音楽を通してチームで何かをすることを体験する
- 「合唱チームビルディング」とは面白い取り組みですが、どのようなきっかけで始められたのでしょう。
「社長さんとお話しする機会をいただくと、最近、社員が、それぞれの殻に閉じこもってしまって、みんなでチームで何かすることが難しくなっていると言います。技術や営業などといった専門の垣根を超えて気持ちをひとつにできる方法がないかと悩んでいるんです。」と永井さん。「でも、合唱であれば、自分がもしテノールだったら、横にバス、アルト、ソプラノと3つ別のパートがある。ちゃんと聴かないとハーモニーにならない。自分だけで気持ちよく大声を出しても、全体がきれいにまとまらないんですね。そこで、企業で合唱をしてみれば、殻を破れるのではないかと思ったんです。」
永井さんのそのような取り組みはNHKのテレビ番組「サキどり」でも取材されています。
- でも、声を出すことへの抵抗があるんじゃないですか。エンジニアは、特に会話する機会が少なく、メールやチャットで済ませることも多いですし。
「実は、普通のアマチュア合唱とは違う練習をするんです。音階を歌わせたりすると、いやな音楽の授業を思い出しちゃいますから、そういうのは抜きです。そして、恥ずかしいかもしれないけど『ウルトラマンビーム!!』とか言ってもらうんですよ。」
- え、ビ、ビームですか?
「まず、私からやります。次に上司の方にやってもらうんですよ。脂汗かきながら半べそかく感じでやってるのを、みんなニヤニヤ笑ってますよ。 そして逃げられない状況にするんです。そうなると、みんな出しますね。」
アルコールの入らない無礼講。音楽だから...
- それは楽しそう。というか、もう声を出すしか無いですね(笑)
「あるときなんか、私、知らずに社長さんに新入社員の役を頼んじゃって、『○○大学出身の××です。よろしくお願いしまーす』と社長さんが言うのを、バスのパートの人たちが、足なんか組んじゃって、偉そうに『よーし!』って答えるっていう練習をさせたんですよ。でも、なんか声がびびってるんですよ。社長さんですもんね。私、知らないので『なんか声がびびってますよ』って言っちゃって。でも、ダメ出ししてもう一度やらせると、みんな気持ちよさそうにやるんです。普段あり得ない体験に、皆さん涙流しながら笑ってて、いつのまにか声が出ているんです。」
- 「音楽だから」という名目でできることもありますね。無礼講もあり。
「そう。でも、酔っぱらった無礼講じゃないことが大事。しらふの無礼講です。ちゃんとハーモニーを作るという大前提でやっているわけで、『皆さんこうやってやっているんです』と説明すると、ちゃんと取り組んでくれますよ。」
- なるほど。音楽を通じて、殻を打ち破り、いつの間にかチームの活動を身につけるきっかけを作る訳ですね。
そして、永井さんの合唱との出会い、そして音楽について話は盛り上がりました(続く)。