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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

25回目を迎えたデベロッパーキャンプが熱かった

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ゴールデンウィーク前の4月23日に開催された「第25回 エンバカデロ・デベロッパーキャンプ」のセッションビデオが公開され始めたので、あらためてこのイベントを振り返ってみようと思う。別で進めている過去の活動についての記録でも、このイベントの第1回について語っているので、その対比としても面白いかもしれない。

まず今回、おかげさまで登録参加者219名を記録した。第1回は80名ぐらいからスタートしていたので、数が増えたこともうれしいが、注目すべきは歩留まりだ。登録数に対する実際の参加率は、無料のイベントの場合60%ぐらいが業界標準だが、今回は80%という驚異的な数字を記録した。

マルコム・グローブスがDelphiによるiOS開発を紹介したジェネラルセッションでは、サテライト会場も用意することになったのだが、実は、朝一番のセッションから、「どうも歩留まりが全然違うようだ」と座席を追加する対応をとっていたのだった。

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一連のiOS開発関係のセッションは、すべてYouTubeで公開になっている。概要を知るなら、こちらのマルコムのセッション。

また、実際に開発を始めるなら、午前中の2つのセッション(「Delphi for iOS開発ファーストステップ」、「モバイル開発始めるなら今でしょ!Delphi iOSアプリ開発講座」 )をじっくり見るのがお薦めだ。

いずれにしても、「DelphiでiOS向けネイティブ開発ができる!」という新製品のニュースとともに、イベントも注目され、多くの開発者の皆さんが会場に足を運んでくれた。

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会場のこのような混雑のウラで、実はネットでのライブ中継側にトラブルがあった。最終的に問題の原因は把握できたのだが、新しい会場で新しいかたちで配信にチャレンジするということで、結果的にいくつものトラブルが重なってしまった。

まず、今回、Ustream配信に専用のハードウェアを導入した。これまでは、PCでビデオ映像をとりこんで配信するというかたちをとっていたのだが、これだと余計なPCが必要になるし、ネットワークの影響で頻繁にトラブルがあるものの自動リカバリがないため、常時監視していないといけない。

専用のハードウェアを導入することで、この辺の作業から解放されるのと、もうひとつ配信映像の品質アップを狙っていた。HDMIから直接配信できるため、スクリーンの映像をそのままの品質で送れるのではないか、と考えたわけだ。

今回起きたトラブルは、ひとつにMacからのHDMI出力をとりこめなかったこと、そしてこちらの機材関係ではなく、会場側の配線に問題があり、音声ラインが取れなかったのだ。

とはいえ、注目のiOS開発のセッションの配信を落としてしまうわけにはいかず、開始5分前に、ビデオでの配信を行うことを決定した。音声もビデオカメラのマイクで拾った。

昼休みに音声ラインは確保でき、映像についても、WindowsマシンまたはMacでもVGA出力でなんとかしのぐことができ、2チャンネル配信を開始できた(それでも、会場側の音声ラインが不通になったりして、配信中にバイパス処理するなど対応に追われた)。

そんな甲斐あって、ユニーク視聴者997名の方にご覧いただくことができた。

最後のライトニングトークは、そんなトラブルを乗り越えて、楽しく盛り上がった。

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さて、最後にまとめを。

今回、DelphiでiPhone、iPad向けのネイティブアプリを開発できるRAD Studio XE4を発表した。ここ数年、エンバカデロでは、マルチデバイス対応を進めていたが、Windows、MacのネイティブサポートにiOS加わり、今後Androidにも対応する計画だ。

重要なのは、2つ。今までWindows開発で行ってきた、コンポーネントのドラッグ&ドロップ、プロパティ、イベントを設定するやり方で、ネイティブのiOSアプリが開発できること。そして、それが単一のコードベースで、複数のデバイスに対応できることだ。

モバイル向けの開発は、多くの開発者が視野に入ってきているもののなかなか踏み出せない状況だったと思う。また、踏み出したとしても、ビジネスアプリケーションまで展開できるかというとそれも難しい状況だった。

しかし、Delphiのような効率的な開発環境で開発が可能になれば、もうひとつの必須プラットフォームとして、モバイルデバイスを考えるようになっていくのではないかと思う。

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