10周年のデブサミで、初めてモバイル系セッションに参戦してみる
Developers Summit、略してデブサミは、今年で10周年だそうだ。デブサミには、ボーランド時代からお世話になっていて、毎年というわけではないけれど、たびたび出展してきた。毎年秋ぐらいに参加計画を検討するのだけれど、今回は、ちょうどRAD Studio XE2がリリースされた頃で、Delphiの64-bitサポート、Delphi/C++BuilderのMac OS Xサポートに続いて、モバイルにフォーカスするのによい時期ではないかということになった。
Delphiといえば、これまでずっとWindows向けのビジュアル開発環境として機能強化をしてきたわけだけれども、ここへきて、一気にマルチプラットフォームへと舵を切り、iOSのネイティブサポートまで果たした。そして、もうひとつのユニークなビジュアル開発ツールRadPHPでも、モバイル開発に対応している。
ということで今回の講演テーマ - 「3分ではじめるスマホアプリのビジュアル開発」
講師はエヴァンジェリストの高橋君。デブサミで初のモバイル系セッションということで、ちょっと気合が入りすぎていないか?かつて、鮮血のセッションもあったので少し心配に…
今回は、Delphiを使った例として、FireMonkeyによるネイティブiOSアプリの開発。ビジュアル的にもきれいなものが、短時間でドラッグ&ドロップで作成できる。そして、モバイルクライアントは、従来のJavaやObjective-C、C#などでいいのだけれど、それらからアクセスするサーバーアプリと、そのアダプタ機能(これは各言語、プラットフォーム用に自動生成される)。
もうひとつ、RadPHPを使った例として、各モバイルデバイスに最適化されたWebアプリの開発と、PhoneGapを使ったスタンドアロン化。AJAXも含めてカプセル化されているのはうれしい。複雑な通信のためのコードを書かなくて済む。「ロジックの記述に集中できる」わけだ。
観客として見ていて気が付いたことは、実は「ビジュアルで簡単にできる」というのは、確かに魅力かもしれないけど、結局何を作るかなのだということ。もちろん、DelphiやRadPHPを使うと、いろいろなものが簡単に作れるのだけれど、そこにフォーカスしなかったのは残念だったかな。
ツールベンダーは、画期的なツールの機能が登場してくると、どうしてもそこにフォーカスしたがる。だけれども、それによって作られたものが魅力的で、そんな魅力的なものがこんなに簡単に作れるから、そこに興味を持つという順番であることはいつも同じ。
エンバカデロのモバイルデビューも、もう少しその辺を押さえた見せ方を研究したほうがいいかな、と感じだ。モノはいいのだからもったいない。
スマートフォン向けアプリ開発に関しては、今後どんどんホットになってくると思われるので、自社サイトにポータルページを開設したのとともに、Facebookにもページを用意した。
http://www.facebook.com/delsma
次のモバイル系のイベントは、自社主催のデベロッパーキャンプかな。
長くなったついでにオマケをひとつ。今回の会場、目黒雅叙園は、目黒駅から行人坂を下って、目黒川に突き当たる前にある。その先の太鼓橋は広重の版画でおなじみの場所。
そこからさらにまっすぐ進むと山手通り方面に出るのだが、途中の交差点に歴史的な看板をいっぱい付けた建物を見つけた。行人坂の表示もある。ずいぶん前からあったような気もするが、記憶は定かではない。
そして山手通りでは、山手トンネルの延長工事が盛んだ。ついにここまで到達してきたか。