FireMonkeyがアプリケーション開発の考え方を変えるかも - Delphi XE2
ドラッグ&ドロップでアプリケーションを開発するRADツール。Windowsの登場から、15年以上にわたってひとつの開発手法として定着してきた、いわば枯れた技術が、今、大きく変わろうとしている ― 昨日開催されたデベロッパーキャンプでのDavid Iによる新製品のデモは、そんなことを感じさせました。
製品を実際に生で見るまでは、Win64やMac OS Xサポートなど、クロス開発ができるんだなぁ、ぐらいの印象だったと思いますが、実際現物を見ると、それをはるかに上回るとてつもない機能があったのです。
まずは、こちらの写真を見てください。これは、Delphi XE2のデモです。決してグラフィックソフトのデモでもなく、教祖様の訓示でもありません。
Delphi XE2に(そしてC++Builder XE2にも)新しく搭載されたFireMonkeyというフレームワークは、ご覧のような高品質な3Dグラフィックを、簡単に作成することができます。すべてコンポーネントなので、従来のDelphiやVisual Basicと同じようなマウス操作で開発できるのです。しかも、WindowsとMac OS Xのクロスプラットフォーム。DelphiならiOSのネイティブアプリも作れます。
これがどうすごいかというと、これまで、ボタンやエディット、リストボックスのような基本的なコントロール、あるいはせいぜいグリッドぐらいの画面要素を、ドラッグ&ドロップで開発することはできましたが、高度なグラフィックになると、いきなりハードルの高いコーディングが待っていました。高品質なグラフィックを扱うには、別の努力が必要だったのです。
しかし、FireMonkeyを使うことで、このハードルがとてつもなく低くなります。しかも、Mac OS X向けのクロス開発ができますから、クリエイティブ系に強い市場に対して、ビジュアルに優れたソフトウェアをとてつもなく効率よく開発できるわけです。
そしてiOSにも対応。スマートフォン開発も、こんな画面でビジュアルに、というのを皆さん待っていたのだと思います。
昨日のデベロッパーキャンプに参加された方も、FireMonkeyのデモを見て、「アイデアが次から次へと湧き起ってきますよ!」と、興奮を隠せない様子。次から次へと繰り出されるFireMonkeyの機能に、創造力が刺激されて止まりません。これがツールに標準で、しかもソースコード付きで付属しているんですからね。
ところで、FireMonkeyは、グラフィック面ばかりが目立ちますが、基本的なコントロールからすべてそろっています。それらは、すべてテーマ/スキンによって外観をカスタマイズできますから、複数プラットフォームでも、同じように、あるいは、プラットフォームなりに表示、操作させることができます。
ちなみに、FireMonkeyは「猿」なのですが、こんなキャラクターだそうです。
後ろにコードが見え隠れしていることからも分かるように、これも、Delphi XE2のデモアプリです。グラフィックソフトではありません。
昨日のイベントを終え、現在、David Iは、神戸へ移動中。午後から、デブサミ関西に参加します。