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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

エンバカデロの国際化Webサイトプロジェクト

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さて、月も替わり一段落着いたところで、以前お知らせした新しいWebサイトへの移行の件をお話しましょう。

エンバカデロ・テクノロジーズは、2008年7月に、ボーランドの開発ツール部門「CodeGear」を買収、合併し、現在の体制になっていますが、この2008年7月時点では、従来のエンバカデロのWebサイトと、CodeGearのWebサイトが並存するかたちでした。その従来のエンバカデロのWebサイトは、特に国際化されているわけではなく、静的なドキュメントとして、英独仏などの言語が提供されている状態でしたので、ここにささっと日本語を追加というわけにはいかず、ちょっと時間を要したわけです。

マーケティングサイドの要求からちょっと遅延
当初(というのがいつだったかもう忘れてしまいましたが)、2009年には、エンバカデロの国際化Webサイトをオープンさせようという考えでした。もともとCodeGearには、国際化対応したWebコンテンツ管理システムであるGetPublishedがあり、これを使って、CodeGearのWebサイトや各種技術コンテンツを多言語対応していましたから、それほど難しい話ではありませんでした。
しかし、本社のマーケティングメンバーからは、ユーザーエクスペリエンスやSEOなどの見地から、もう少し高い要求が出され、それをどのように実装するかで少し時間を要しました。

オープンソースのCMSを使う方針でGO
最終的にオープンソースのCMSをカスタマイズして使用するということになり、今年の6月ぐらいをターゲットに実装準備が始まり、5月には本社に集結してトレーニングも受けました。
基本的には、その時点でのエンバカデロのWebサイトのスナップショットをCMS上に再現し、これをカスタマイズするという方式です。英語のページについては、若干の修正が入りながらも、メインはバグつぶしが行われ、各国語(最初の段階では日本語とドイツ語)については、確定した英語ページを翻訳していくという作業です。

最終的に8月下旬にオープン
しかし、バグつぶしが90%ぐらいいったところでどうにも致命的な問題があったらしく、そこでプロジェクトは遅延。8月にターゲットが変更されました。ひとつ問題なのは、Webコンテンツは日々更新されていく生モノなので、5月のスナップショットで作業を始めた多くの成果は、やり直しや修正が必要になってしまうということです。
実は、この点、日本向けのローカライズについては、ゆるく翻訳を始めるというずるがしこいことをやっておりまして、とりあえず見た目を日本語にしてルック&フィールを調整。最終的に文言は直しを入れましょう、という考えで途中までしかやっていなかったのでした。そのため、遅延によるやり直しの影響は最小にとどめ、最終的に8月下旬に設定されたターゲットに向けて、作業を加速していったのでした。

しかし製品発表と同時はやめたほうがよかった
コンテンツの同期を考えると、製品発表で多くのページがアップデートされるタイミングを見計らって一気に移行というのが理想です。しかし、これも多数の専任スタッフを抱えている場合で、自ら製品発表の準備やプレゼンを行いつつ、Webコンテンツも、というパターンだと、かなり無理無理のスケジュール。個人的にはこれに演奏会が重なり、かなりやばかった。

さて、とりあえず始動したエンバカデロの日本語Webサイト、これにより、これまで開発ツール製品のみだった日本語による情報発信を、全製品にわたって行うことができます。

現状積み残しの課題はこんなところです。

  • いくつかのコンテンツは未翻訳です - 実際、製品のローカライズなどの状況にも連動するので、新バージョンリリースの更新タイミングで、これらはどんどん日本語化されていく予定。
  • グローバルvsローカルの釣り合い - 新しいWebサイトは、基本的に「翻訳サイト」です。英語のメニュー、コンテンツ、バナーなどに対して、それぞれ翻訳版を定義します。つまり、基本は同じ構成です。しかし、実際にはローカル固有の需要、さまざまな事情もあり、ローカルカスタマイズが必要です。これらについては、その方式を本社とも議論しながら、徐々に取り入れていくように進めています。
  • パブリッシュはいつ? - グローバルサイトの場合、スケジューリングでコンテンツアップデートをかけるのが一般的ですか、そのタイミングについてはまだ議論があります。US時間の深夜というのが、日本の夕方、ヨーロッパの早朝にあたるため、ちょうどよいという意見です。でも、緊急対応もあるよね、ということで、どのような運用にするかいくつかのパターンを検討中です。
  • 国際化未対応のコンテンツの対応 - いくつかのコンテンツはまだ別の国際化未対応サーバーで運用されています。日本語で代替コンテンツが必要なものについては、すでに新しい環境に構築していますが、これも一時的な措置です。主な対象コンテンツには、プレスリリース、プレスカバレッジ、イベント、パートナー情報などがあります。

メインのWebサイトについては、新しいシステムを導入しましたが、デベロッパーネットワークなどについては、従来のCDN改めEDNの資産をそのまま継承していきます。特に、EDNアカウントについては、従来のCodeGear開発ツールだけでなく、エンバカデロの従来製品であるデータベースツールについても、利用していくように変更されてきています。

EDNのアカウントは、これからも重要、ということで、こんなキャンペーンもやっています。皆さんも一度、EDNアカウントをご確認ください。

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