消え行くドレミファインバーター、微妙な転調感が哀愁を誘う?
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地下鉄が多数交差する市ヶ谷は、ルート選択が多彩だ。東京の西寄りにずっとオフィスがあったので、あんまり使わなかった都営浅草線なんかにも、新宿線から接続できる。
先日強い雨の中、新橋方面に出かけることがあり、雨に濡れるのをきらって、JRではなくこの都営ルートを選んだ。馬喰横山で長い通路を歩くと、浅草線のホームが見える。線路の下をくぐって新橋方面のホームに着くと、京急直通の電車が来た。2100系というやつだ。
この電車、三浦半島まで走り、ボックス席がある。地下鉄でボックス席というのもなんか変だが、走り出すとさらに可笑しい。そう、例のドレミファインバーターというやつである。発車時のモーター音が音階になっている。
新聞によると、このドレミファインバーターはこれから5年から10年でなくなっていく運命らしい。なんとも物悲しいが、そもそもこのドレミファ、「ファソラシ♭」ではないか。
楽譜におこしてみるとこんな感じになる。
変ロ長調というかト短調というか、階名でいうと、「ソラシドレミファソラ~」である。もっとも、普通に最初の音を「ド」(実音ではF)と考えて見ていくと、はじめは普通のドレミファかと思えば、後半「シ」(実音ではE♭)がフラットになり、ミクソリディア調で少し暗めになり、転調した感じで最後に、半拍の余韻を残してト短調に落ち着く感じだ。
転調を考慮して厳密に記譜するとこんな感じ。
してみれば、ドレミファという命名は、あながち間違っておらず、むしろ後半転調で、短調になりますインバーターなのだ。
かくして、この微妙な転調感が、わずか9つの音の間に、明るい発進音から哀愁を帯びた加速音へと変化させているのだろうと、ボックス席で分析してみた。
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