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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

Tiburonフィールドテスト開始、ワールドワイドの開発サイクルへの参入という取り組み

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Delphi / C++Builderの次期バージョンとして開発を進めているコードネームTiburonのフィールドテストプログラムの募集を開始しました。フィールドテストプログラムとは、秘密保持契約(NDA)を締結して、開発中の製品を試用してもらい、事前に多くのフィードバックをいただこうというものです。

フィールドテストと同じように、ベータプログラムというのがありますが、こちらは、例えばパブリックベータというような言い方があるように、開発途中のバージョンでお試しいただいて、製品導入を促進しようというものです。フィールドテストは、どちらかというと、製品品質の向上、製品機能のフォーカスをユーザーの皆さんの要望に近づけるという意味合いが強いです。

CodeGearでは、開発者フォーカスを前面に打ち出して以来、アンケートやさまざまなディスカッションの場を作って、開発者の皆さんの意見を聞く機会を作ってきていますが、フィールドテストは、まさにその最先端の現場というわけです。

しかし、その最先端ですべてがうまくまわっているかというと、なかなかそうはいきません。特に日本からの参加については、多くの課題を抱えていると言っていいでしょう。海外からの参加では、各国語の議論の場を利用することはもちろんですが、製品の各機能について意見があるときは、その機能を担当しているエンジニアがいる英語のグループに入っていって議論しています。実際、ネイティブであることは重要ではなく、お互い道具として割り切って、カタコトでも英語で会話しています。

これに対し、日本の場合は、やはり厳然と言葉の壁がありますし、一方で、ほしいものは自分で取りに行くという欧米流の行動パターンではないため、開発が佳境に入っていく中でのスピードに乗れないというケースもあります。

もちろん有償のツールを販売しているベンダーなのだから、その辺の垣根は、ベンダー側で対処すべきという声もあります。それはもちろんであり、そのための対処をいろいろ検討しています。しかし同時に、外国人とのコミュニケーションをどのように円滑に行えるようにするか、という一般的な課題にも直面しています。

ツールを日本ローカルに閉じ込めて日本で独自に開発するより、世界標準の中で日本の要望も実現していったほうが絶対によいと思っています。そのとき、海外の開発者とのコミュニケーションギャップというのは、CodeGearに限らず、どこでも発生している問題のように感じます。コードは世界共通語といっても、その先の実現したいことに到達しないのはなぜだろう、と考えてしまいます。難しい課題のようですが、CodeGearも、こうした直接的なコミュニケーションによって、製品開発を展開していく方向を指向しているので、これは避けて通れない、むしろ正攻法で考えるべきかなとも思います。

フィールドテストそのものは、クローズで実施されていますが、ここでは、一般的なテーマとして、この件について触れていきたいと思います。

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