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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

ビデオによる情報配信は翻訳泣かせ

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先日のエントリで、ちょっと大目にしゃべっちゃうNick Hodgesの件を紹介しました。もちろん、「大目に」という中には、未発表案件をうっかり、なんてものばかりでなく、重要な情報や多くの人が求めている詳細な情報だったりもします。

しかし、そういう情報が主にDelphi Hourのようなオンラインイベントで音声だけで残っていたり、文書になっていても、ブログにしか情報がなかったりすると、日本での再利用や展開に非常に困ることがあります。特にスクリプトもない音声情報を正確に聞き取り、日本語に翻訳して音声や字幕、テキストなどで提供するには、時間もお金もかかります。また、ブログの場合も、結構くだけた文章だったりすることが多く、ちゃんと訳すにはそれなりのスキルが必要です。あまり推敲していない文章を、一生懸命推敲して翻訳するより、ちゃんと推敲された翻訳しやすい文書を用意してよ、というのがこちらの希望だったりします。

一般的にプログラマーは文章を書くよりコードを書くほうが好き、と言われますが、海の向こうでも事情は同じようで、ビデオでの配信が簡単にできるようになってからは、ささっとアドリブでデモして、説明して、そのビデオをブログで紹介して終わり、という傾向が強くなっています。これは、日本語で情報を提供しようという立場からすると扱いにくく、困ってしまいます。製品の要点を簡潔に説明する数分のビデオなら、翻訳しないでも見ていただけると思いますが、さすがに1時間以上、世間話を交えてアドリブで説明を続けるビデオを見るのは辛いのではないかと思います。

ところで、冗長な1時間もののビデオを、スクリプトなしで、えいやっとほぼ同時通訳してもらって、その音声をかぶせて済ませられないものかと検討したことがあります。同時通訳1時間の費用だけで済みそうな気がしたのですが、実際はそうではなく、結構割高になること、また、あくまでもライブに対する同時通訳であって、繰り返し再生可能な音声に対しては、もっとクオリティの高い翻訳を提供できるはずなので、安かろう悪かろうというのは勘弁願いたいという事情もあるようです。

そんなこんなで、重要なビデオコンテンツについては、スクリプトを用意してね、と要望しているものの、スクリプトがあれば記事が書けてしまうのでビデオである必要もなく... みたいな事情も関係して、なかなか実現されていません。

おまけ(事情別最近のCodeGearのビデオリスト):
1) 英語だけど内容がシンプルなので、そのまま日本語の説明だけつけて公開しているビデオ

2) 日本で実施したイベントで、同時通訳の音声を限定的に再利用許可をもらってかぶせているもの

3) 英語のままの長いビデオ

追伸(8/24):
C++が好きさんからいただいたコメントに対応しまして、Delphi Hourと昨晩アップされたECO IVのビデオの2つについて、日本語のインデックスをつけてみました。いずれもタイトル、説明文、インデックスのみ日本語で、英語のビデオコンテンツにリンクしています。

これで、全部見ないと分からない感は、多少解消されるのではないかと思います。

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