「決定が遅れたのでできませんでした」にならないための5ヶ条
プランニングウィークがまだ続いている。「7月は下期のプランニングの月です」なんて悠長なことを言ってしまえるならいいが、四半期単位で結果を出さなくてはならない外資としては、実際はまったなしだ。
しかし個人経営でもない限り、全体の方針や予算が決まり、自分の活動計画も承認されなければ先には進めない。こんなとき、「決定が遅れたのでできませんでした」という言い訳をあらかじめ用意しておくのは、よろしくない。「決まらない数週間、君は何をしていたのだ。できることがあったろう」と言われるのがオチだ。
ものごと、予定通りに進まないことが多い。何でも期限厳守でガチガチに行ければ楽なような気もするが、そもそも当初の想定と違ってきたり、読みが甘かったりと、いろいろな要因によって、軌道修正を迫られるものだ。自分でさえそうなのだから、「あなたは期限守ってね」なんてお願いしている相手だって状況は同じだ。
さて、このようなときには、「決定が遅れたのでできませんでした」なんて、言い訳をしないために、以下の5箇条を実践している。外資系のマーケティングにはよくある話だと思うけど。
「GO」がかかったときにすぐにボタンを押せるようにしてあるか?
決まってから考えようなんて悠長なことを言ってないだろうか。ボタンは押せても、そのあとに来るものについてもちゃんと準備してあるだろうか。今のうちに障害要素を取り除いておけば、決まった途端にいつもより早く実行に移せるはずだ。
変更リスクを検討しているか?
一般的に、「待った」がかかるときは、依存関係にあるスケジュールが決まらなかったり、予算枠が決まらなかったり、活動にかかわるいくつかの前提が決まらずにずるずるいくことが多い。こんなときは、あらかじめどこを可変にできるのか、どういう変更にまで現状プランが対応できるかを吟味しておくのがよい。決まった瞬間に呆然としてしまうリスクを相当軽減できるはずだ。
効果を高める代案や追加の準備ができないか?
決定が遅れて時間が足りなくなるのはもうしょうがない。時計は巻き戻せないからだ。では、この時点で、活動の効果を高めるための代案や準備活動はできないだろうか。データの整備や露出機会を増やす策略をめぐらすなど、お金をかけなくてもちょっとした労力で、効果を高めることができるものだ。
最小限のフライングはちゃんとネゴする
先に述べたように、決定の遅延にはそれなりの事情があるものだ。だから、大抵の場合、何でもかんでも「待ち」ではないわけで、スケジュール的に「GO」しなければならないものは、先行して始めるしかない。その種のものは、ちゃんとネゴしてフライングするべきだ。ただ、何でもかんでも時間がないからという理由だけでゴリ押しすると、敗退する可能性がある。変更リスクをちゃんと吟味してあれば、こっちには柔軟性があって、このフライングによるリスクは小さいよ、と説明できる。
本当に八方塞がりなら寝て待て
などと、いろいろやってみたところで、本当に「待ち」なんだったら、今のうちに休んでしまうことだ。決まった瞬間に週10日ぐらい働かなければならなくなるもんだ。リフレッシュするもよし、体力をつけておくのもよし。この機会に、普段忙しくて会えない人に会っておくのもよいだろう。
ちなみに、オーストラリアの同僚は、この待ち状態に困ったわぁ、という状況だ。まあ、よくあることだよ、なんて会話をしたけど、この5ヶ条を実践しなよ、というのは、ちょっと先輩風吹かせるみたいで気が引けて、まだしていない。