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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

佳境に入ったWebの国際化

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ゴールデンウィークが間近にせまる中、ようやくCodeGear Webの国際化のめどがついてきました。コンテンツの移行と翻訳はほぼ完了し、細かい手直しやら不具合の修正段階に入っています。ただ、本社側でも操作性や見た目の改善のために、いろいろと構造を変えているので、一部追加翻訳が必要になったり、フォーマットを修正しなければならないところが出てきたりしています。日本語Webサイトを持っていないこちらとしては、細かいところは後回しにして、さっさと公開してほしいのですが、不具合修正とも関連していたりして、なかなかGOとはいきません。

今回の国際化は、基本的に従来デベロッパーサイトのCDNで培ってきたノウハウを他のコンテンツにも適用したものです。CDNは、英語をデフォルト言語として、他の任意の言語に翻訳できる構造になっています。この方式のユニークなところは、非英語ページでは、翻訳があるものは翻訳版で、翻訳がないものは英語版で、それなりに表示されるところです。

日本のように日本語コンテンツをしっかり用意する傾向にある市場では、全部をつぶすように翻訳し、そうでない国は、主要コンテンツだけ翻訳するという選択ができます。また、翻訳版と英語版の関係は、ページのリンクだけなので、ある英語コンテンツに対して、翻訳はこれ、と決めてしまえば、たとえ内容が同一でなくても、翻訳ページとして表示されます。このような方式のよいところは、ローカルの事情に合わせて、それなりにページを構築できることです。特に、メインの製品ページだけでなく、サポート情報なども同じ方式で展開しますから、技術情報の蓄積にも貢献できると思います。

Webコンテンツ管理ツールなどを用いた国際化Webサイトでは、よくテンプレートに各国語テキストをあてがうような方式の翻訳ページがあります。このやり方は、可変になっているテキストボックスに翻訳したテキストを入れればイッチョあがりなので簡単ですが、ページに柔軟性がありません。これだと、単純にテキストを翻訳するだけではすまないビジネス環境の違いを吸収してくれることはなく、たいてい美辞麗句の並んだ、役に立たないページが出来上がってしまいます。

コンテンツはHTMLかWORDドキュメントで作成します。製品ページなどでは、複数のページを合成して表示するような構造になっていますが、編集者権限でログインしてページを見ると、各ページ要素の箇所に[Edit]ボタンが表示され、簡単に編集できて便利です。

今回は、ローカルで柔軟に対応できるような構造になっているため、多くの差異を翻訳ページで吸収できました。それでも、本社側で気を遣って、英語ページの日本の問い合わせ先を日本語にしてきたりして、「そのページは、英語で見たい人が日本の問い合わせ先を見るんだから英語じゃないとだめでしょ!」みたいな、マヌケなやりとりが発生しています。

日本語を理解しない彼らにとっては、あくまでも記号なわけで、日本でどのような文脈で日本語が使われ、英語が混在しているかを理解するのは無理なようです。

そういえば記号といえば、北京からの帰りの飛行機(ノースウェストでした)の機内販売誌のシャネルが「ツャネル」になっていて苦笑しました(機内で海賊版もないだろうし)。海外の航空会社のああいう誌面の校正も、記号なのかしらん。

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