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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

Delphiブランドのはなし

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先週米国で開催していたバーチャルカンファレンスのクロージングセッションで、Delphiのブランドについて、Michael Swindellが説明していました。Delphi for PHPの発表以来、Delphiって言語ではなかったかしらん、というような疑問もあり、あらためて、ということのようです。このコンセプトについては、来日したときにも話していました。

プレゼンでは、「Delphiファミリー」と称して、言語やWindows開発環境の狭義の「Delphi」から、「Delphi的開発手法」という広義の「Delphi」にブランドチェンジしていくことを説明しています。

Delphiであるためには、オブジェクト指向であり、VCLコンポーネントフレームワークを持ち、2Wayビジュアル開発をサポートしており、イベントドリブンで、シームレスなデータベース接続をサポートしていること。まさにDelphiの基本ですが、こういう見地からすれば、Delphi for PHPは、言語の違いはあれ、Delphiブランドを名乗る権利があります。そういう意味では、C++Builderも(ちなみにC#BuilderはVCLコンポーネントを持っていないので、この仲間には入れません)。

まあこういった定義が、どれだけ有効なのか、また単に言葉遊びになる恐れはないか、というと疑問符がつきますが、これまで、CodeGearというかボーランドは、あまりプロダクトブランドやコーポレートブランドを大事にしてこなかった(むしろ、パワーブランドにあぐらをかいていた)傾向があるので、Delphiブランドを大事にしていこうという考えには賛成です。しかし、同時にこれまでの狭義のDelphiを拡大していくことで、ブランドに混乱が生じないか注意が必要です。もっとも、ブランドは守るものであると同時に、育てなくてはならないものなので、ブランドを成長させる能動的努力、よい変化は必要だと思います。最終的にエンジニアレベルでの「Delphi」と、もうすこし広いオーディエンスに対する「Delphi」ブランドをうまくコントロールして、認知度を高めることができればと考えます。

さて、こんな定義が存在するのであれば、数週間前にニュースに取り上げられた、Ruby製品は、VCLを実装しないとDelphi for Rubyと名乗ることはないだろう、といえます。現状は話題先行できていますので、この話はまた数ヶ月先に。

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