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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

国際化Webサイトで引越しも楽々... とはいかないものだ

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外資系企業のWebサイトの「国際化」、あるいはそれまで別個にローカルサイトを運営してきた立場から見れば、「集中化」の流れは、ここ数年でほぼ出来上がったように思える。現在では、多くの企業が、comドメイン下に各国語のローカルコンテンツを抱えるようになった。これは、単にサーバの場所の問題だけでなく、多言語で複数地域の情報をどうカバーするか、という課題を解決したことにほかならない。

ローカルサイトからのお引越しは、結構大変な苦労だが、逆に、これまで、ローカルコンテンツを立ち上げることができなかった地域や国にとっては、独自コンテンツを追加したり、英語のコンテンツに、自国の追加情報を加えるようなかたちで、簡単にWebサイトを持つことができるメリットが得られる。

こうした集中化の理由として、1) ワールドワイド共通のルックアンドフィール、2) コンテンツの共有、3) サーバーリソースや管理コストの節約、4) 更新履歴などの集中管理 などがよく挙げられる。1 については、正直、横のモノを縦にしたり、右から左に字を書いたりと、いろいろな文化が存在する世界においては幻想なのだが、見た目を同じにする、さらに一歩譲って、同じようなかんじに見える、ぐらいの共通感は大事だ。

ルックアンドフィールとコンテンツの共有は、関連するところもある。サイトの構造を同じくすると、コンテンツは1対1で翻訳すればよく、再利用性も高い。だが、ルックアンドフィールの微妙な隙間を埋めるのが難しい。例えば、IBMのサイトは、日本語英語で、同じような構造になっていて、忠実な訳だ。マイクロソフトのサイトが、超訳風なのとは対照的だ。しかし、ここも細部を見ていくと、日本のビジネスに大きく関連するところほど、違いが出てくる。これは、ルックアンドフィール的に共通性を保ちつつも、ローカルの需要に合わせた好例だろう。

現在、CodeGearのWebサイト立ち上げ、言い換えれば、ボーランドからのCodeGear関連情報のお引越しを進めている。ボーランドのWebサイトは、既に集中化の洗礼を受けて、共通のルックアンドフィール、共通のコンテンツになってきている。もちろん、ローカル固有の事情もあるので、そういった箇所には、違いがある。

そういう意味では、既存の箱にあるものを、そのまま右から左へ移動させればよいということになる。集中化でもうひとつ得られるメリットは、こういう大きな構造変更を伴うときに、本社の工事に乗っかって、半ば自動的に移転ができてしまうことだ。とはいえ、CodeGear化によって、いろいろ従来とは違う、新しい構造や仕掛けが出てくる。それらが、ローカル固有の事情にどう関係するかは、別に精査しなければならない。

米国では、既に www.codegear.com にて、Webサイトを稼動しはじめた。各国語機能は、年末から年初、というのだが、年末年始の休暇に重なるのが痛い。ちなみに、サイト自身が既に国際化機能を持っているBDNは、CDNとして稼動開始している。多国語サイトなので、英語だけ引越しというわけにはいかず、当初は英語以外のページでもトップニュースが英語だけだったりして、ローカル側はそれぞればたばたしたが、システム側の問題だったので早急に解決してもらうよう依頼し、現在では直っている。そのほか、メニューなどについても、修正を加える予定。

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