カガーマン氏近況の件
へニング・カガーマンさんと言えば独SAPの共同会長兼CEOを2009年までされていた方です。
残念ながら、私自身は直接お会いした事はありませんが、偶然、お名前を拝見しました。ここです。
「National Academy of science and engineering」、通称acatech(アカテックと発音?)。カガーマンさん、acatechの二人いるプレジデントの一人とのことです。
acatechってなんだろうということで、ミッション・ステートメントを見てみましょう。
先ず、“acatech is the German federal and state-funded national academy and
voice of science and engineering at home and abroad.”
とありますから、ドイツ国内と海外の科学者とエンジニアリングの声を吸い上げる為の、ドイツ連邦政府と各州政府の肝いり機関であることが分かります。実際には、(ドイツを中心とする欧州の)研究者ネットワークからacatechがメンバーを選んでいるようです。
次に、”acatech carries out its work giving independent, scientifically-based advice for the good of society.”
“With sustainable growth through innovation a priority, acatech focuses on the areas of education and technology communication, energy, resources and sustainability as well as technologies”
とあるので、独立性を持っていることと、イノベーションを通じた持続的成長に重きをおいていること、テクノロジそのものに加えて、教育とテクノロジ・コミュニケーション、エネルギ、資源、そして、持続可能性に焦点をあてていることが了解できます。
権威付けための官製学術会議なのでしょうか? カガーマンさん、SAPを退かれてから、名誉職的な機関のトップを勤められているのでしょうか?
ここで、acatechの組織を見て見ます。
図と、左側に書かれた組織名が一致しないようですが、気にしないでおきましょう(欧州のことですから)。
大きな組織として、General Assembly(総会)、 Secretarist(事務局)、 Seneta(元老院)、そして、総会と元老院から投票で選ばれるSupervisary Board(エグゼクティブ・ボードのこと?) と呼ばれるものが設けられています。
名前から見て元老院コミュッティーが実質的な意思決定組織、エグゼクティブ・ボードが、執行機関の要のように見えます。
カガーマンさん、14人いるエグゼクティブ・ボードと、11人いる元老院コミッティーの両方のメンバーに名を連ねています。さすがSAP元会長という感じ、でしょうか?
元老院コミッティーのメンバーのほぼ全員が、博士号保持者です。学術会議だから当然、と思いたくなりますが、彼らの所属は、BASF、VW、BMW、ルフトハンザ、投資会社と、日本でも名の通った企業の人たちです。単なる学者のネットワークなのでしょうか?
ということで、すみません、この稿、続きます。