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アカデミックのロジックとビジネスの英知から価値をつくる

Ozzieメモ雑感

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「コンピュータ関連企業の高収益革命(アーサー・D・リトル社編集/ダイヤモンド社)」という本が1993年に刊行されている。日本がバブルの余韻に酔い、アメリカもハイテクを中心に持ち直して来てはいたが、101ですら路面のところどころに穴が空いていた頃だ。
当の本が手元に見当たらないのでうろ覚えのままで恐縮なのだが、「最大のマーケット(つまりこの場合はアメリカ)で意思決定を行う必要がある、よって本社(HQ)はアメリカにおくべきだ」というのが主張の一つであったはずだ。そうしたから、あるいはそうしなかったから、成功したとも失敗したとも言えない、というのは今だから分かることなのだが、刊行時期に前後して渡米した私などにとっては、「ある仕様がなぜ発想され、支持され、実現されるのか」を現地で味わえたのはそれなりに収穫であったし、それゆえに今でも半分くらいは、本の主張するところを正論だと思っていたりする。
ということを書こうと思ったのも、実はRay Ozzie氏のメモ を読んでみたからだ。恐らく、10年前の読者も、今の読者も、このような形で言われたことは十分に理解できるし、正当な形で評価し反論することもできるだろう。が、ここに書かれていることの具体化は、やはり市場の特性という形の文脈依存性を持っているように思うからである。普遍性と特殊性がクロスする地点を見極める必要があるだろう。
ところで、昨年12月8日のエントリに関して今関さんからコメントを頂いていたのですが、忙しさにかまけているうちに年を越してしましました。申し訳ありません。ご紹介頂いたURL、上でいう文脈を考えてデザイン・チームで共有するための良いアプローチのような気もします。
最後になりますが、新たな年が皆様に幸多いものでありますように。

 

 

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