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背景を知らない学生たち:ワークライフバランスの話題から始めてしまう罠

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大学生(特に女子学生)にキャリアガイダンスをすることが多いのだが、決まって出てくるトピックはワークライフバランスである。

一生働くことを前提に、結婚や子育てのことが気になるのは当然で、ワークライフバランスは重要だ。

しかしながら、雇用機会均等法1期生世代の私たちの感覚からすると違和感があるのだ。
まだ会社の役にもたっていないのに、会社にどういう貢献をもたらしたいのかを話す前に、そのトピックから始められても、正直いい印象はない。

仕事に腰が据わっていない、または、仕事を一生懸命しない理由をワークライフバランスに求めているように聞こえてしまう。

どうしてなのかなあ?価値観が違うせい?と思っていたら、大学に勤める友人が「それは学生の非ではない。君たちが悪い!!」と憤慨した。

「今の学生は純粋培養で、企業の建前と本音が見抜けないんだよ。企業のHPや新聞の論調を見てごらん。ワークライフバランスという言葉が所狭しと並んでいる。下調べをする真面目な学生ほど、「ワークライフバランス」のことに触れるのが「いいこと」だと勘違いしているんだよ。学生にもわかりやすい概念だしね。彼らは本当の意味でそれを望んでいるのではなく、キーワードに踊らされているだけだ。むしろ「3年は死ぬ気になって働け!」と企業が言えば、頑張る子のほうが多いと思うよ。」

なるほど。

メッセージには常にコンテクスト(背景)がある。仕事に過度に重きを置きすぎたせいで、精神的に折れてしまったり、伸び悩んだり、社会との幸せを築けなかったりと、様々な弊害があって、ワークライフバランスの重要性が叫ばれているのだ。

そのコンテクストを共有しないで、ワークライフバランスという言葉を使うがための違和感であることがよくわかった。

仕事柄、同じコンテクストを共有していない外国人との意思疎通について考えることが多い。

しかし、日本国内の日本人同士でも、世代差などのために、コンテクストを共有しないことが増え、同じように意思疎について考えないとけいないと、改めて思ったのだった。

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