日本交通社長の川鍋さんの講演から企業経営の神髄を学ぶ
ケロッグマネジメントスクールがアカデミーヒルズと一緒に開く、モーニングセッションの第12回目。
日本交通社長の川鍋さんをおまねきしてタクシー業界と企業経営の話し。
川鍋さんは三代目のプリンス。幼き頃から将来の道を決められ、そのプレッシャーに負けることもなく、そのための準備を着々とする。留学してケロッグで経営学を学び、マッキンゼーに勤め経営コンサルティングの経験を積み、晴れてタクシー業界へ。
川鍋さんとはケロッグ同窓会活動を通して色々お話をお伺いする機会が多い。
長身でハンサムで、スポーツマンで、やさしくて、と女性にもてる条件をすべて揃えているので、若き女性の共通財産になり続けるのではと心配していたのだが(笑)、先日素敵な女性と結婚なさった。
さて、講演から経営者として身の引き締まる思いをしたことを3つばかり紹介する。
①「拾われる」から「選ばれる」タクシーへと誰もがわかるミッションステートメント
流石、コミュニケーション能力の高い川鍋さん!とってもわかりやすい。
事業コンセプトをこのようなわかりやすい形で表現することはとても大事だ。
と、お客様には申し上げるのだが、紺屋の白袴で自社のことは全然出来ていないと反省。
東京だとタクシーは流しが当たり前。私自身は、空車タクシーを見送ってまで自分の載りたいタクシーを探しはしない。
川鍋さんは、まず法人顧客に選んでいただくことから始め、最終的には流しでも2,3台なら見送って選んでもらえるようにしたいとおっしゃっていた。
②運転手になる理由、そのタクシー会社に勤める理由を知る努力
川鍋さんが一生懸命社員に自分の考えを説いても、なかなか心に響かないことが多かったそうだ。そこで、東京駅にいたタクシーの運転手さん300人にアンケートをとったところ
・運転手になった理由:他に適当な仕事がなかったから
・会社を選んだ理由:家に近かったから
が一番多かったそうで、衝撃を受けたそうだ。消去法の受け身の職業選択だ。
私が衝撃を受けたのは、アンケートをとったその実行力だ。
考えようによってはたいした手間ではない。だが、その手間をかける社長は少ないと思う。自分が漠然と感じていた違和感を定量的に裏付けているのは流石!
③サービス向上:low hanging fruits(低い木になった実をもぐ)
成果の出やすいことから始めるという意味で、私もいつも実践しようと思っている。
これは、接客サービス向上のトピックの時に川鍋さんが話した言葉だ。
挨拶や顧客への要望の聴き方などをマニュアルに沿って教育しているそうだが、入社3年目以内の運転手から徹底しているそうだ。もちろん、接客に問題のある運転手の指導は必要だが、新しいことに順応な運転手から教育するほうが効率がよいのは言うまでもない。
プリンスに久しぶりにお会いしたく、でも早起きは私の主義(?)に反するので、今日は起きて5分で家を出て、聞きに行きました(笑)