上司をマネジメント(Followership)
「上司をマネジメント」(村山昇)という本を読んでいる。晴れて(?)上司がいない身分になった私が熱心に読んでいるので友人に怪訝な顔をされた。よい組織は上司のよきLeadershipと部下のよきFollowershipによって作られるが、部下の立場の人のために書かれたアドバイス本だ。
なぜこの本を熱心に読んでいるかと考えると理由は3つ。
その1
リーダーシップを学ぶには、部下の観点に立つことも有意義だと思ったから(殊勝な心がけ)
「ハーバード流リーダシップ入門」(クイン・ミルズ)を監訳して以来、リーダーシップについてことあるごとに考え、悩み、同じ本をあきもせずに繰り返し読んでいる。
(そのたびに脱字などのミスが見つかるのは監訳者としては非常に嫌なのだが)
上司がいない身分が長く続くと、かつて自分が不満に思っていたことをどんどん忘れていく。部下の立場を思い出す事が、リーダーシップを磨くことにも通じると思ったから。
その2
部下に組織の論理を学ばせようと思ったから(余計なお世話?)
振り返ってみると、私は決して組織の中で動くことが上手ではなかった。「ほうれんそう」もうまくなかったし、自分がしたいことをするために、上司を有効利用しようなんて考え付きもしなかった。しかし、私はいつも上司に恵まれていたので、さして困らなかった。
それでも一応大企業に勤めていたので、「組織の論理」は学んだ。アークコミュニケーションズを作った時は、悪い意味での「組織の論理」とは無縁の会社にしたいなぁと思った。
そもそも人数も少なかったから、「組織」というほどのものでもなかったけどね。
ただ、部下を見ていると、大企業からの転職組と小企業からの転職組ではあきらかに社内コミュニケーションのとり方に違いがある。大企業であるクライアントが、当社のようにすぐさま色々なことを実行に移せないことを、理解しづらいスタッフもいる。小さいと思っていた当社も既に社内に25人もおり、そろそろ中間管理職をおいて組織化すべきフェーズになっている。
部下のためによい本がないかなぁと思っていたところへこの本に出会った。
その3
部下が素晴らしいフォロワーシップを発揮することで、このままの私でよければ楽だなぁと思ったから(怠惰な心がけ)
う~ん、本音はここにあるかなぁ(苦笑い)
部下に「いい本があるよ」とこの本を薦めた時は何とも気恥ずかしかった。