Oracleの業績発表に見るオンプレの儲かりっぷり
Oracleが儲かっているようです。少し前のITproの記事にこんなものがありました。
しっかし、オンプレミスの保守、凄い粗利益率ですね。95%って、どんなビジネスなんですか ^^; 「クラウドは儲かる」、っていうタイトルですが、データを見る限りオンプレのほうがよほど良い商売です。まあ、それがなかなか続けにくくなっている、ということなんでしょうけれど。Oracleがクラウドを嫌って移行が遅れたのも、これが理由だったんでしょうね。ずっとオンプレが残るなら、その方が良いに決まってます。
あまりに衝撃的だったのでスクリーンショットを貼っておきます。(引用元は上記記事)
クラウドの利益率が低いと言っても、オンプレミスと比べればそれは低いですが、十分じゃないでしょうか。記事の結論は、PaaS/IaaSの利益率は低くなりがちなので利益率の高いSaaSがあればクラウドは儲かる、ということですが、PaaS/IaaSだって別に赤字じゃないですしね。
値上げの果ての高利益率?
しかし、今のこの利益率は、ここ数年に渡る相次ぐ値上げの結果とみることもできます。今年の1月にはこんなこともしています。
先の記事では、SaaSの収入が1067(百万ドル)、費用が374(百万ドル)で祖利率65%となっていますが、価格を上げなかったとすれば、今回の粗利率もだいぶ変わるでしょう。
また、3月に出たこの記事は、業界でもかなり話題になりました。
オンプレミスのライセンス体系を変えて実質的な値上げをし、クラウドの料金も上げ、しかもサポート料金を毎年上げているとすれば、そりゃあ儲かるよね、という話では無いのでしょうか。それを考えると、冒頭の記事にある信じがたい粗利率も、今がピークなのかも知れません。今後一定のユーザーが離反していくのは避けられないのではないでしょうか。(こんな数字出されたら、ユーザーだっていい気はしないんではないでしょうか。特に値上げに文句言っていた人達は)
Oracleのネットワークコンピュータは、クラウドのご先祖様なのでは?
ところで、冒頭にも書きましたが、Orcleはクラウド化の波に乗り遅れたと言われてきました。Tech Clunchの記事なんか、かなり辛口ですね。
Oracleはクラウド化の波に大きく取り残されており、ラリー・エリソン会長はそのことをよく知っている。そこでエリソンはあらゆる機会をとらえて最大のライバル、AWSに嫌味を言うことにしている。
確かにOracleのラリー・エリソンは、最初クラウドに批判的でした。これは2008年の記事です。
クラウドに乗り遅れたのは、当初このように否定的だったからなのかも知れませんが、この時でもまるっきりクラウドを否定しているわけでは無く、「しょうがないからクラウドには対応する」的な発言をしています。
しかし、Oracleはこれに先立つ1996年、「ネットワークコンピュータ」というコンセプトを発表しています。1998年のOOWではこんな話もしています。
これ、発想的には今のクラウドとかシン・クライアントと同じですよね。エリソンがクラウドに対して冷たい態度をとったのは、「クラウドなんて俺が昔から言っているじゃないか!」という気持ちだったのかも知れませんね。