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UIは変えちゃいかん! Microsoft の UI/UX 音痴について

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今日はちょっと怒っています。Microsoftがまたやってくれたからです。先日のエントリの最後に書いた、MicrosoftのUI/UX音痴について。

4月にWindows10の大型アップデート(Creators Update)が公開されました。で、いつものことが起こったのです。

Windows 10 Creators Update後のコントロールパネルの位置

メニューの構成が変わり、コントロールパネルが見つからなくなったのです。それまでは、Windowsメニューを右クリックして出るメニューの中にコントロールパネルがあったはずなんですが、最近無いなー、と思って調べたところ、この記事を発見したわけです。無くなっては居ませんでしたが、ものすごく見つけづらいところに移動させられていました。今、コントロールパネルの機能は「Windows設定」に引き継がれているようで、そちらのほうがデザインも最新で、それを使え、ということなのでしょうが、目指す機能がどこにグルーピングされているかがわかりにくいので、どうしても古いコントロールパネルの方が便利なのです。

remotecontroler_rimokon.png

「変わらないUI」の価値をわかっていないMicrosoft

今回の件に限らず、Microsoftって、アップデートの度にちまちまとメニュー構造や並びを変えるんですよね。アクセサリや設定ツールなどが多いんですが、これ、本当に謎です。何のためにやっているんでしょうか? コントロールパネルなんて、毎日使うもんじゃ無いですが、たまに使いたくなる(使わなければならなくなる)もので、そういう時って、だいたい何かトラブルがあったときです。そんなときに「あれ? 前はここにあったのに?」といって探し回るのがどれだけストレスか、全くわかっていないんでしょう。新規ユーザーはなんだって良いでしょうが、既存ユーザーのほとんどは、こんなところの変更なんか望んでいない筈です。

個人的に影響が大きかったのが、便利に使っていたランチャー(Quick Launch)がアップデート後に突如消え失せたこと。これも探して復活させましたが、挙動が前と微妙に違うんですよね。まあ、消え失せても、探せばあるというのはありがたいことではありますが、それなら元のまま置いておけよ、と思うわけです。(互換性の問題とかあるのかもしれませんが)「ブリーフケース」なんてのも無くなっちゃいましたね。これは使ってなかったんで個人的には困ってないですが、使ってた人は困ったでしょうね。

既存ユーザーを激怒させたOfficeのリボン

細かい変更は本当に毎回のようにあるんですが、大きいのも何回かありました。古くは、Officeのメニューがリボンに変わったときも大変でしたね。Office2007でメニューが一新され、それまでのユーザーはどこに何があるのか、まったく(いや、大げさでは無く、本当にまったく)わからなくなりました。最悪だったのが、「印刷」がどこにあるのか、皆目わからなかったこと。結局、リボンの左端の丸井メニューの中で見つけるわけですが、「この丸いのもメニューかよ!」と言って怒っていた人を何人も知っています。当時はこんなソフトまでありました。

Office 2007~2013のメニューを、使い慣れたOffice 2003風にする方法

と思ったら、未だにあるんですね。

クラシックスタイルメニュー for Office 2016

気持ちはわかります。私はなんだかんだ言いながらリボンになれてしまいました(でも、未だに「あれはどこだ?」と探すことはあります)が、ユーザーに負担を強いるアップデートって何だよ、と毎回思います。

Windows8の責任者はリリース直後に退社

後、記憶に新しいのがWindows8。タッチパネルに最適化したメトロインターフェースを全面的に採用し、旧メニューも残したものの、「スタート」メニューが無くなったために大騒ぎになりました。これも、残しときゃいいのに、なんでわざわざ無くしたのか? 本当に理解不能です。(後で「しぶしぶ」という感じで復活させ、Windows10では完全に元に戻りました)

実はOfficeのリボンとWindows8の開発責任者は同じ人なんです。スティーブン・シノフスキー氏といって、末はMicrosoftのCEOか、と言われていた人なんですが、Windows8リリースの直後に退社したのです。

Windows 8総責任者が辞任。マイクロソフトに今、何が起きているのか

退社の本当の理由はわかりませんが、私としては、プレビュー版の時点からスタートメニューについて大騒ぎになっていたにも関わらず、そのままリリースを敢行したことも要因のひとつではないかと勘ぐっています。しかしまあ、かなり変わり者だったことは確かなようです。ジョブズに例えられたり、今ならベゾスあたりですかね。

マイクロソフトの「次期CEO」、退社じゃなくクビだった

こういう人って、やはり信念があるんでしょうから、「最初は多少不評かも知れないが、未来の使い勝手を考えると、今この変更を行っておくべきだ。」くらいの想いでいたのかも知れません。Officeのリボンも、大多数の人は結局は受け入れざるを得なかったわけですから。(未だにこれが使いやすいとは思えませんが)

しかし、この人が居なくなっても(そして居るときも来る前も)ちょこちょことした変更を繰り返しているわけですから、これはもう、MicrosoftのDNAとして、UI/UXに対する考え方が全く間違っていると考えざるを得ません。この辺の感度の悪さ/センスの無さが、スマホでWindowsが未だに受け入れられない要因なんじゃ無いか、とも思います。企業ユーザーは多少の不便さは我慢しますが、個人が自腹を切る場合には、こういうところは大事でしょうから。

Apple偉い!

対称的なのが、そう、Appleです。Mac OSのメニューはOS Xになった2001年移行変わっていません。というか、アップルマークの隣にファインダがあって、ファイル、編集と続くメニューの並びとか構成としてはその前のMac OSから変わっていないのではないでしょうか。(よく覚えてないんで絶対とは言えませんが、多少違うとしてもそれに気づいていないということは、上手に変えているんでしょう)アイコンが立体的になったり、ランチャーが追加されたりして見た目は結構変わっていますが、使い方で迷うことはありませんし、UI/UX的には本当に同じです。絶対に変えない、変えるとしても慎重すぎるくらい慎重に、と、これはもう、哲学と言って良いし、信念なのでしょう。私はこの姿勢を絶対に評価します。iPhoneにしても、初代と今とでほとんど同じです。アイコンがフラットになりましたが、使っている分には「そうだっけ?」くらいの違いでしかありません。

ただ公平を期すと、Macは、UIは変えないですが、付属させるソフトとかツールは結構無くなったり変わったります。代替ソフトがある場合が多いですが。MicrosoftはUIから見えなくなるけど、探すとちゃんと残っている、ということが多いように思います。やはりソフトそのものには拘りがあるんでしょうか。最近もPaintが無くなるとか騒がれましたが、結局無くなりはしないようです。Mac Paintなんかもう、跡形も無いですもんね。

UIについて私がよく使う例え話に、「テレビのリモコンで、数字の配列がメーカー毎に(あるいは発売のタイミング毎に)違ってたら、怒るでしょ?」というのがあります。新しい機能が追加されたりすると、リモコンのボタンが増えたりして、それをどう収めるかが腕の見せ所なわけですが、Microsoftがやっているのは、変えなくても良い(変えてはいけない)数字の配列をちびちび変えているようなものだと思うのです。皆さんはどう思われますか?

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