【58.4%】 30代1,300人が答えた、年功序列型>成果主義型 を考えてみた
月刊アスキーがこの11月号から生まれ変わり、新しくビジネスアスキーとなりましたが、そのリニューアル号の特集として、30代1,300人のビジネスマン調査を行っています。その中で、年功序列型と成果主義型の比較結果が報告されています。
あなたの会社はどっちですか?
年功序列型 : 65.4%
成果主義型 : 34.6%
どちらの会社が望ましい?
年功序列型 : 【58.4%】
成果主義型 : 41.6%
※月刊ビジネスアスキー11月号 P.28より引用
30代といえば、仕事のおもしろさも大変さも実感し、また将来を見据えながら、迷いながらも、一番がんばれる年代。そんな世代の希望が、年功序列型>成果主義型となっています。でも、過半数をやや上回った程度の、拮抗した数値。この結果は、いろんなことを考えさせてくれます。
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バブル崩壊後、企業業績が悪化する中で、リストラと同時に訪れた実力主義・成果報酬型の人事制度。「年齢ではなく実力で報酬が決まる」から、「成果を上げれば給料が上がる」。一時期、救世主のごとく導入が進んだ成果主義型の人事制度ですが、ここへきて疑問視する声も多々聞こえてきます。
- 成績絶対という風潮が、社内の和を乱している。売上を上げれば何をやってもいいという考え方では、協力しあうことなどなくて、社内がぎくしゃくしてしまう
- がんばっていても、上司のウケが悪いと査定が低くて給料が上がらない。評価が人によってマチマチで不透明だから、どうがんばったらいいかわからない
- 一部の人が高い給料をもらうだけで、大多数の人は給料が下がる。実力主義と言えば良く聞こえるけど、実際は会社の収益が少ないのをカバーしてるだけ
こうした実例は、決して極端な例でもなく、私の回りでも耳にする話です。30代は、そんな実態に敏感なはずです。だからといって、給料は限られた原資の配分だから、実力主義反対なんて負け犬の遠吠えみたいなこともできない。でも、ガツガツするくらいなら、職場の雰囲気も良くてのんびりやれる年功序列型の方がいいかも…個々人で考え方は様々でしょうが、揺れている心境が何となく伝わってきませんか。
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実力主義だと、職場の雰囲気が悪いのでしょうか。個人主義に走ってしまい、協力しあうことなどなくなってしまうのでしょうか。私の個人的な見解は、実はちょっと違います。職場の空気が乱れたり、協力しあうことが少なかったりというのは、コミュニケーションの問題だと思っています。これはかつて在籍したリクルートで身をもって学んだことです。実力主義の中でも、社員同士が協力し合い、モチベーションを高めあうことは可能です。でも、“風通しのいい風土”“活性化した組織”を作るというのは大変難しいことで、時間もパワーもかかることなんですね。この話は、とっても長くなってしまうので、またいつか機会を改めてお話したいと思います。
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実力主義・成果主義型というのは、カタチだけ導入すると、いろんな歪みを生じやすいものだということは間違いありません。最近、それが社会の中でわかってきたということだと思います。目の前にニンジンをぶら下げれば、パワー全開で走り出すほど、人間は単純じゃない。若者の志向も多様化し、みんなが出世や高給取りを目指している時代ではなくなっています。
先のアスキーのアンケートでは、48%の人が「今、転職をしたい」と回答しています。働く側から考えれば、自分は何を望み、それをかなえてくれる会社はどこなのかを、じっくりと探す。そんなことを思っている人はたくさんいるということでしょう。さて。みなさんの職場は、年功序列型ですか、それとも成果主義型ですか? あなたはどちらを望みますか???