【7店舗】 Macシェア拡大の救世主となるか(2)-カギを握るのはAppleではなく大学かもしれない
先回、Appleが展開を始めたTTM(Touch The Mac)に参加した体験記をエントリーさせてもらいました。そしてTTMを数多く展開すれば、Macの市場シェアを拡大できるのでは、という私見を書きました。
「Macの優れた操作感や楽しさを伝えるためには、実際に触ってもらうことが一番早道である」とは、私が参加したTTMで指導をしていただいたAppleJAPAN講師の言葉。それは十分に実感できます。問題は、その機会を多数提供するための戦略です。実際にMacに触れるワークショップである以上、参加者にスクーリングを提供できる環境が必要であり、最低でも参加者数分のMacが必要になります。現在のTTMはまだ試験段階で、AppleJapan本社での開催に限られており、AppleStoreの数も全国で【7店舗】と限られている以上、地道な積み上げでは限界があるのも事実。ここがボトルネックとなり、TTMをはじめとするワークショップの開催に弾みがつきません。
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そこで視点を変えて、TTM開催に適した物理的な環境がある場所を、Appleの事業所以外に求めてみると…そんな都合のいい場所が…あるんです。それは、全国の大学をはじめとする教育機関。複数台のMacを導入し、ワークショップを開講するに最適ともいえる環境がプリセットされている大学や専門学校が多数あります。実際に私がTTMに参加したのも、中部大学のDigital LABでした。では、大学をはじめとする教育機関でのTTM開催に、現実味はあるのでしょうか。
雑誌MacFANには、毎号教育機関でのMac導入例がレポートされています。裏を返せば、コンピューターの教育研究環境整備に力を入れる大学が増えているのです。今の大学は、ある意味、最新Macのショールームともいえるほどです。最先端のコンピュータ環境を備えた以上、、大学としても、いろんな意味で社会にPRしたいというのも本音でしょう。昨今、大学に課せられる役割には、“教育”“研究”に次ぐ第3の柱として“社会貢献”が明示されています。多額を投じて備えた教育環境を社会に対して開放することは、社会貢献の命題に応えることに寄与します。
さらに。昨今の大学は、18歳人口の減少に伴って、激しい入学者獲得競争を展開しています。入学者確保という観点からみても、将来の入学者につながる子どもたちや、その保護者に対し、大学の持つ優れた教育環境を体験してもらう機会の提供は、望むところだと考えられます。
ここにAppleと大学の利害一致が見いだせると考えるのは、自然な流れではないでしょうか。プログラムや講師はAppleが提供し、会場は大学が提供。この連携は、Appleにとっても、まだ大学にとっても、さらには参加者にとっても利益がもたらされることとなり、マーケティング的に見ても、いわゆるwin-win-winの関係が成立する理想的な戦略と成り得るのです。
以上はあくまで私の私見です。Macシェア拡大のカギを握っているのは、ひょっとしたら大学なのかもしれない…。あながち外れた予想ではないように思うのですが、いかがでしょうか。。。