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【70.8%】 要注意はIT系・大企業・30代~急増する『心の病』には薬も効きにくい?

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 4月に入って桜も咲いて新入社員も入って賑やかになったなぁって思ったら、あっという間に5月になって、GWもさっさと終わってしまいました。これから7月までは祝日もないんですよね…なーんてことはさておき、5月といえば、そう端午の節句、じゃない、そう、5月病です。4月・新年度でいろいろ環境変わった人も多かったと思いますが、1ヶ月過ぎて、何となく慣れてきて、張りつめていたものが少し緩んで…って時になりやすい、あの憂鬱な病。これ、病院で治してくれるって手合いの病じゃないんですよね。ある意味、始末が悪いやつです。

 この手の『心の病』に共通するのは、自覚症状があるようなないような感じで、病気なのか違うのか、なかなか判断がしにくい点。なかなかやっかいなものです。最近、どうやらこの手の病が急増しているようです。4月25日に財団法人労働行政研究所が発表した「企業におけるメンタルヘルスの実態と対策」調査結果では、この見えにくい病の実態が数値で示されており、興味深い(というか怖い)ものがあります。

 (1)最近3年間におけるメンタルヘルス不調者の増減傾向は
  ・増加している……55.2%
    企業規模1000人以上… 【70.8%】
    企業規模300~999人… 59.8%
    企業規模300人未満 … 32.5%

 (2)特に増加が目立つ年代は(複数回答OK)
  ・20代…41.2% 30代…51.9% 40代…19.1%
    企業規模1000人以上… 20代…38.3% 30代…53.3% 40代…21.7%
    企業規模300~999人… 20代…45.8% 30代…47.9% 40代…12.5%
    企業規模300人未満 … 20代…39.1% 30代…56.5% 40代…26.1%

 (3)メンタルヘルス不調で1ヶ月以上欠勤・休職している社員が
  ・いる……62.7%
    企業規模1000人以上… 93.2%
    企業規模300~999人… 67.1%
    企業規模300人未満 … 24.1%

 ご覧の通り、大企業の30代が一番危険なゾーンという結果が出ています。

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 この調査では業種業界別の詳細なデータは示されていませんが、中でもIT系にはメンタルヘルス不調者が特に多いという指摘があります。メンタルヘルスの専門病院として著名なストレスケア日比谷クリニックの院長で、『ITエンジニアの「心の病」』著者でもある酒井和夫博士は、インタビュー記事の中で、

  ・ITエンジニアにおける、うつ病の発生率は、一般企業会社員の2~3倍
  ・普通の抗うつ剤が効きにくい

というショッキングな指摘をしています。ITエンジニアという仕事が、かつて人類が経験していない新しい仕事であり、長時間ディスプレィを凝視し続ける労働スタイル、脳の中の特定機能を酷使し続ける思考スタイルがもたらす心の疲労には、従来の抗うつ剤が効きにくい…何とも悩ましい話です。

 心の病は、ある日突然なるものではないし、明確な自覚症状が見られにくい分、発見と対策が後手になりがちですが、反面、日常のちょっとしたケアで予防できる病…というのが救いでしょうか。大事なことは、脳の使い方にメリハリをつけること。特に休日は、貯まった脳の疲れをとり、リラックスさせる貴重な機会です。仕事のことはさっぱり忘れて、そう、たまにはPCの電源切って…ん? それ、GW入る前に言えよな、、、って話でしたか。。。

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