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●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【41.0%】 日曜日になると痛感する、格差社会

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 今日は日曜日。お休みの方も多かったと思いますが、みなさんはどこかお出かけになりましたか? デパート、レストラン、映画館、喫茶店、PCショップ、書店、レンタルCD店、スポーツクラブなどなど。ちょっと思い出してみてください、そして考えてみてください。あなたが話した人は、正社員でしたか? アルバイトやパートさんでしたか? もちろん正確にはわからないでしょう。ホント変な質問でごめんなさいね。これは勝手な想像ですが、きっとアルバイトやパートなどの非正社員が圧倒的に多かったのではないでしょうか。

 「日曜日は正社員に会わない」とは言い過ぎでしょうが、実態はそれに近いのかもしれません。これは私が「とらばーゆ」の編集をしていた頃によく話題にしたテーマです。今の会社組織は、程度の差はあれど、アルバイト、パート、派遣、契約社員などの、いわゆる非正社員の存在があって成り立っています。特に流通業やサービス業は、その傾向が顕著です。学生フリーターやニートに対する批判的な論調をよく見かけますが、彼らの存在がなければ、日曜日は回らないのです(たぶん)。今さらですが、日曜日がくると、この話題をよく思い出します。

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 先回のエントリーで、賃上げの話題を取り上げました。帝国データバンクが発表した「2008年度の賃金動向に関する企業の意識調査」結果からピックアップしたものです。45.0%の企業が賃金改善の見込みと書きましたが、実はこれには続きがあります。この45.0%という数値は、正確には“正社員の賃金改善の見込み”を聞いた回答なのです。続きを紹介しましょう。

 非正社員の賃金改善について聞いたところ、賃金改善が「ある(見込み)」と回答した企業は、8,284社中1,799社。比率にして21.7%に過ぎません。2007年度の調査では18.2%でしたから、改善の方向にはありますが、正社員と比べた場合の格差は歴然です。逆に非正社員の賃金改善が「ない(見込み)」と回答した企業は、【41.0%】にも達し、非正社員の置かれた厳しい実態が浮き彫りとなっています。

 賃金の格差だけで、非正社員が不利だと断定するのは早計でしょう。積極的に非正社員という働き方を選択している方もたくさんみえるはずです。アルバイトや派遣を疑似インターンシップととらえて、将来の就職先や働き方を探している学生も増えているようです。また法制度の整備もあいまって、非正社員から正社員に登用する制度を導入する企業も増えてきています。私が偉そうに言える立場でもないのですが、、、いろんな意味で、誰もがポジティブに働ける世の中になっていけばいいですね。。。

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