【2億6,000万円】 高齢化の町を活性化させたのは、ITなのだろうか~前編
ちょっと前の話題になりますが、マイクロソフトが徳島県の小さな町と提携を発表したというニュース。覚えている方も多いと思います。ダレン・ヒューストン社長と笠松町長の2ショット写真がWebを賑わし、大きな注目を集めることとなった、あの小さな町の話です。
これは徳島県勝浦郡上勝町が、昨年10月9日に、ICT(Information and Communication Technology)利活用による地域振興および、過疎地域における自立的なICT利活用促進の運用、町民のICTリテラシー向上などにおける協業を発表したというものです。マイクロソフトは「過疎や少子高齢化などの課題を抱える地域と模範となる事例として、全世界に広く情報を発信し、ICT利活用による地域産業振興の事例としたい」と意図を説明しています。そして先月2月27日には、上勝町ICT戦略検討委員会を設立し、マイクロソフトがアドバイザーとして参画するという具体案を発表。上勝町は、「ITで町興し」を成功させた町として、全国から見学者を集めることになっています。
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上勝町は徳島駅からバスで約1時間半、人口2,021人(2008年3月1日現在、同町ホームページより)の小さな町。人口は年々減少を続けており、その22%が70歳代(同)と、過疎化と少子高齢化に悩む、典型的な例といえます。雰囲気が変わったのは、お年寄りたちが町の「木の葉や草花」を、料理の引き立て役として「商品」化に成功した頃からです。この町には恵まれた自然・山林がふんだんにあります。季節で彩りの変わる、もみじ・南天・柿の葉・松葉・いちょう・笹等々。このどこにでもありそうな、お金になるなんて思いもよらないはずの「葉っぱ」に目を付けたのが、当時農協職員(現在、株式会社いろどり代表取締役)の横石知二さん。ちょっとした料理屋や気の利いた料亭に行けば、季節の食材に添えられている「つまもの」。ん?これって町に落ちている葉っぱじゃないのか…ってことは…。このアイデアが、ただの「葉っぱ」を見事に「商品」に変えてしまったのです。
今では平均年齢70歳のおじいちゃん・おばあちゃんたちが、せっせと「商品」を山から集め、事業を運営する“株式会社いろどり”を核に、ITを活用して流通させる仕組みができあがっており、年間【2億6,000万円】もの売上げがあるというから驚きです。なにせ商品の原価は(ほぼ)タダ。それがアイデアで商品に生まれ変わる。元気なおじいちゃん・おばあちゃんたちは、大きなやりがいを見つけてしまったわけです。。。(後編に続く)