ITメディアコラム『新興市場の低迷はいつまで続くのか』を読んで・・・
【コラムを読んで感じたこと】
日々アイティメディアの記事に目を通している小生ですがネット関連
以外の記事も面白いものがあり、よく目を通しております。
そのなかで、本日保田さんがエントリーされているコラムを拝見
しました。
このコラムでは、新興市場の低迷は一言でいうと需給要因の問題で
株価が下げているとの事でした。個人的にはまさにその通りと感じ
ました。
加えて、個人的に1999年の株式相場を思い出しました。1999年相場と
現在の相場の環境は似ていると感じました。
【1999年の相場と現在の相場をみて思うこと】
1999年の相場の下げの要因として米国FRBの金融の引締めによる
景気減速が日本に波及して相場全体が下げた記憶があります。細かく
話すとその他様々な要因ももちろんありますが。そして、その際に株価
水準が割高(PER、PBRなど)な新興市場は大きく値を下げたことを記憶
してます。数千万円の株が1ヶ月程度で数十万円になったりなど・・・
当時の東証の平均PERは20倍~30倍程度であったと思います。それに
対して新興市場のPERは100倍を超える銘柄もざらにありました。
そして、現在も同じような状況になりつつあると感じてます。下図は
三菱総研が2006年7月に公表したデータです。
http://www.mri.co.jp/REPORT/ECONOMY/2006/dc06080100.pdf
このデータではいかに東証マザーズの株価が割高だということが
理解できると思います。そして景気動向にも変化の兆しが・・・。
下図は米国供給者協会が公表しているデータをみずほ情報総研が
まとめたレポートになりますが、徐々に指数は低下しています。
それにあわせるように株価の上昇も緩やかになっています。
ISM指数参考資料
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/indicator/ISM061106.pdf
また、国内の景気指数の一つである機械受注をみても同様の
事がいえると思います。また株式指数(TOPIX)も同じです。
機械受注参考資料
http://www.nikkei.co.jp/keiki/kikaij/
TOPIXチャート(10年)
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=998405.t&d=c&t=ay&l=off&z=b&q=c&k=c3&a=v&h=on&p=m130,m260,s
今後の株価が気になるところです。
【株価が下落した場合・・・次の世代に期待すること】
全体の相場が仮に下落した場合、新興市場の株価は更に下げる
可能性があると思います。
蛇足までに、現在の新興市場の株価下落は暴落というよりも適正
株価に近づいていると感じております。一部割高な株価に引き
づられて割安な銘柄の株価が上がらないケースもありますが・・・。
株価下落により、多くの企業が業績や会社イメージに痛手を
受けます。周りでも今まですごい褒めちぎっていた人たちが一転
『実態がない会社』、『虚業』と手のひらを返していきました。
一般投資家はもちろん、証券会社のアナリストまでも・・・。
サイバーエージェント藤田社長の『渋谷ではたらく社長の告白』を
拝読したとき株価下落時のマスコミ、投資家、一般人からの
批判は大きいなとの印象を持ちました。
ただし、そこから這い上がった企業の力はすごいなと感じます。
例えばサイバーエージェント、GMOインターネット、USEN、また
勢いはなくしたもののライブドア(旧オンザエッジ)などは現在のネット
業界を支えております。
時代は繰り返す・・・。
今もてネット業界はもてはやされている感があります。しかし、一般の
事業者ではWeb2.0をはじめとしたネットサービスに投資対費用効果が
あるか慎重な姿勢で状況を眺めていると感じることもあります。
今後、苦境に立たされる時期がくる可能性がありますが、その際、
逆境を乗り越え、這い上がる新興企業が新たに出てくることを期待
してます!現在数あるベンチャーからどの企業が這い上がるのか
非常に楽しみです。
ちなみに1999年の下落から這い上がってきた企業に共通すること
は『技術』ではなく、シンプルに『営業力』、『ビジネスセンスの良さ』が
ある企業が這い上がっている気がします。将来はいかに!