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重要なのは定義ではなく中身では ~某Web2.0に関する記事を読んでの感想~

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昨日、とあるネット系の情報発信サイトでトップページに.「ユーチューブは本当に

Web 2.0か」--「Web 2.0の倫理」をめぐって盛り上がる 議論のサイトが載って

いた。『YouTubeの倫理かぁ・・・ふむふむ!』と思いサイトの詳細を見るとがっかり。

記事内容:http://japan.cnet.com/column/somethingnew/story/0,2000067121,20288227,00.htm?tag=nl

個人的名見解を述べる前に、このサイトは個人的にすばらしいと思う。自身も情報収集

のため毎日閲覧し、様々な情報を得ている。またこのサイトでコメントをしている伊藤穣一

様もすばらしい経歴、またインターネットビジネスの活性化に向けて献身している方

だと思う。記事の中でも以下のように納得できる点はある。

Is YouTube "Web 2.0"?」というエッセイを著したのが伊藤穣一。この10月22日付けのブログのなかで、同氏は「いま、Web 2.0(の現象)に便乗して、Bubble 2.0ともいうべき現象をつくりだそうしている人々がいる。そのため、Web 2.0は、ウェブの未来のためのプラットフォームになる代わりに、強欲な人々が目先の儲けを求めるためのプラットフォームになりつつあると考えることもできる」

ただ今回の記事の本流を読むと『ん?』と感じてしまう。

記事はLess氏、伊藤氏、Tim O'Reilly氏の3人がWeb2.0について語っている。3人の意見

を要約すると以下の通りである。

【Lessig氏の意見】

□YouTubeのシステムには、ほかの誰かがアップロードしたコンテントを本当の意味で

 取得できる簡単な方法は組み込まれていない。そしてYouTubeを「偽物の共有サイト

 ("Fake Sharing Site")」と呼んでいる

【伊藤氏の意見】

□YouTubeはWeb2.0か?→結論としてWeb2.0ではない。

□YouTubeは理由として、ユーザーにビデオのダウンロードを認めるという基本的な

 要件を満たしていないためWeb2.0でない。

□コンテンツシンジケート(=配信)してはおらず、またコンテンツのリミックスなどを

 ユーザーに認めてはいないmixiも同じである。

【Tim O'Reilly氏の意見】

□Lessigの上記のエッセイを踏まえながら、「本物の共有サイト」と「偽物の共有サイト」の

 違いが今後ますます重要。

□サイトが「オープンか、それともクローズドか」という点に注目。

 この記事を見て、ビジネスの本質である『Web2.0の収益モデルとして必要なもの』

とか『収益を上げるための仕組み、仕掛け』という本当にビジネスに必要な議論が

何一つ上げられていないと感じた。また、この記事にかかわらず、セミナーや

マーケッターの話を聞くと『これはWeb2.0的か、そうでないか』という言葉遊び的な

部分に終始しているなと感じる時も多くあった(最近はようやく沈静化してきましたが)。

今回の件、わかりやすく例えるとあるCDショップで『ブルーハーツ』のバンドの

CDを置くときに『これはパンクか』、『これはロックか』、『これはJPOPか』という議論を

しているのと同じだと思う。本当に大切なのは『ブルーハーツ』のCDを売ること

なのに・・・。

もちろん日本でもWeb2.0をインフラとして活用し、ビジネスに生かそうとしている企業

は数多く見られる。異論はあるかも知れないがサイバーエージェント、オールアバウト、

ECナビ、ビルコム、エイベック研究所・・・・などなどビジネスとして大切なのはインフラ

を活用して自社でオリジナリティをつけてビジネス/収益モデルの仕掛け、仕組みを

作っていくかではないだろうか?

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