Startup Weekend Tokyo (スタートアップウィークエンド東京)が終わって
先週の金曜日の夕方から、日曜日の夜まで、起業家精神溢れる100名余りの54時間の熱い戦い、Startup Weekend Tokyoが終わった。
結果としては、入賞することはできず、世界に挑戦することは適わなかったが、今回、初めて自分のチームを持ち、優秀なメンバーと共に過ごした54時間は、今まで3回参加した中で最高に自分が成長できた時間なのではないかと思う。
初日は、ピッチが長引き、メンバーと話す時間も限られていたため、「写真を言葉にする」というビジョンをなかなかメンバーと共有できなかった。それが、2日目にも尾を引き、作るべきMVP(Minimum viable product)の決定がなかなかできなかった。
最終的に、COO的な立場を引き受けてくれたメンバーに決定を委ねたのだが、どうしても、その決まった方向性には共感ができなかった。
MVPを作る、顧客開発をする、UXにこだわる、ビジネスモデルを考えてテストする。
そのどれも、スタートアップウィークエンドに勝つために必要な条件である、ただ、その評価基準に気を取られ、自分の納得いかないことをやって、たとえこの3日間のゲームに勝ったとして、果たしてそれは自分のStartupWeekendに求めていたことなのだろうか?
「No Talk, All Action」
それが、スタートアップウィークエンドの鉄則である。
ただ、私は敢えて話すことを選んだ。
開発メンバーにはとりあえず決まった方向性でのMVP開発をお願いし、その他のメンバーに自分の考え、ビジョンをもう一度じっくりと、真剣に話した。もし、それでメンバーに自分の描くゴールイメージが伝わらない、共有することができなかったら、チームを降りるくらいの覚悟で話した。
一人、また一人と自分の想いに共感してくれるメンバーが増え、その声は開発チームの耳にも入り、なにも指示をしていない中で、自主的に私の考えているMVPを作るためのリソースを確保し、動いてくれていた。
ファウンダーとしては、戦略・戦術をピボットすることがあっても、
ビジョンだけは絶対に変えることはできなかった。
結局は、COOを除く全員が私のビジョンに共感をしてくれた。
そこから、チームの力が最大限発揮され、各人が自分のできること、すべきことを考え、物凄いスピードで進めていった。
2日目のお昼にCOOが私のところに来て、当初進めていたMVPを中心にどうしても進めたい、できることなら自らで引き取って、賛同するメンバーと共にチームを新たに作りたい、と心のうちを打ち明けてくれた。
私は、メンバーがそれをやりたいのであれば、脱退も仕方が無いと思った。
メンバーに、COOについていきたいなら手をあげてもらいたいと言った。
だが、そこにいた誰一人手をあげなかった。
皆が自分のすべきことに没頭していた。
ビジョンが明確であれば、優秀なメンバーは自ら能動的に動ける。
指示を必要とする、指示を待っているメンバーはほとんどいなかった。
まさに、「No Talk, All Action」である。
メンターには、2日目の午前中に「話はもういい、とにかく動け!」とアドバイスを受けたが、私は、敢えて言おう。
ビジョンが共有されるまではとことん
「話せ、そして聞け!」
そして、経営者は常に強いビジョンを持ち、それを強い言葉でわかりやすく端的に表現し、メンバーがそれを理解しているか、共有できているか、とことん確認すべきである。
COOは、その後、チームを脱退した。
彼は何も悪くない。
彼も彼なりのビジョンを持ち、この3日間に夢を追おうとして来たのだ。
惜しくもピッチで仲間を集めることが適わず、私の応援を買って出てくれたが、
夢を諦め切れなかったのだ。
それは、何も悪いことではない。
2日目の夜、メンバーのほとんどが遅れを取り戻すべく夜通しそれぞれの手を動かした。
3日目の朝には、ビジョンがMVPとしてカタチになっていた。
それぞれが作ったものを使ってくれる人を探すために外に出て、
いい評価をもらうと手を叩いて喜んだ。
最終日17時の最終プレゼン、いつもよりも緊張していた。
緊張していたというよりも、怖かったのだ。
これだけ、メンバーが力を出し切って作ったプロダクトの魅力を
すべて、自分の言葉でジャッジとオーディエンスに伝えられるだろうか?
そんな不安があったのだ。
まず、プレゼン前にメンバーにこの3日間、自分に着いてきてくれたことの感謝の一礼をし、自分に全てを託してくれたメンバーのために、気合を入れた。
もう何も怖くなかった。
言いたいことは山ほどあったが、なるべく完結に、強く、オーディエンスに届くように言葉を発した。
今回の3日間の成果を全て出し切った後に、
メンバーには悪いが、自分の夢を少しだけ話す時間をいただいた。
「写真は言葉になる」
「言葉は学ぶもの」
写真という言葉を学んだ子どもたちに、
その言葉で、日本を、東京を、オリンピックを世界に伝えてもらいたい。
それが、私の夢です。
最終プレゼンの模様はこちら
なお、今回のスタートアップ ウィークエンド 東京には、NHKの「ドキュメント72時間」の撮影スタッフが三日間密着していました。二日目の夜には、私の自宅にまで撮影スタッフが来られて撮影をされていたので、少しくらい出ているかもしれません。
1月24日22時55分より放送予定ということなので、スタートアップイベントの熱い雰囲気を味わいたい方は是非ご覧いただければと思います。
#なお、撮影クルーは私以外の方の自宅にも取材に行かれてますし、計2クルーで54時間密着し撮影されている中から25分間の映像に編集をするということで、優勝チームではない私は、もしかすると全てカットされているかもです(^^;)
最後になりますが、「スタートアップウィークエンド東京」のファシリテーター・オーガナイザー・スタッフ・スポンサー、参加者の皆さま、熱い54時間をありがとうございました!
そして、Photorepiメンバーの熱い想いはまだ冷めてはいません!
写真のレシピ Photorepi(フォトレピ)および、子ども×写真プロジェクト Codograph は、
まだまだ進化します!皆さまの応援を宜しくお願いします!
====2014.7.20追記
またもや、スタートアップウィークエンド東京に参加してきました!
今回は汐留にあるソフトバンクグループ本社での開催!
ピッチは残念ながら響きませんでしたが、参加したチームで優勝することができました!
今回の成果はこちら。いい仲間が今回もできました。
Feti Tokyo(フェチ東京) フェティッシュを通じて日本の文化と多様性を伝えるサイト
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内容はちょっとアングラ?って思うかもしれませんが、その辺はきちんとしたビジョンがあります。継続して運営していき、年末には月間100万PVを超えるサイトにしていくつもりなので応援よろしくお願いします!