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企業の広告担当15年の現場から儲かる広告とITについて本音を漏らしながら紐解いていきます。

B2Bのマーケティング【売る為の6つの要素】

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皆さま、あけましておめでとうございます。

今年もゆっくりと思いついたことを書き連ねていきます。

さて、 今回はB2Bのマーケティング、特にLead Generationの企画のために必要な要素の整理です。
告知活動やセミナーのコンテンツ、営業のトークスクリプトなどなどを上手にまわしていくために、あらかじめ必要なことは何か?をまとめてみたいと思います。(ごめんなさい、長文です・・・)


すべての要素を一度に準備することは非常に難しいのですが、

「なぜその投資が、その時期に、その組織に必要なのか」


を事前に正しく定義するという事が必要になります。


私の場合、広告やLead Genの企画の際、いつも以下の5つを自分なりに考えて以下の通り定義しています。


「ベネフィットや新機能の説明」
「顧客目標とその達成に対する課題」
「自社の信頼性」
「現状維持のリスク」
「導入時、導入後のリスクと負荷の軽減」
「競合分析」




私自身Lead Genを考える立場でありながら、購買に関与することも多いのですが、実際に購買の現場で、社内や上層部から来る質問を交えて説明します。


【ベネフィットや新機能の説明】 ・・・ ”どんな良いことがあるのか?”

”こういう新機能・サービスによって、さらにコストが下がります、品質が向上します”などの「効果・効能」
これに関しては大抵のマーケティング部門が開発し、様々な場面で訴求されている要素です。
ただ、以前のBlog「B2BのLead Genにおける競合論」で書いた通り、導入しない理由はいくらでもあり、こうした「効果・効能」だけでは導入に至らないのが難しいところです。




【顧客目標とその達成に対する課題】 ・・・ ”その目的は? そのためにはどんな課題があるのか?”

顧客のビジネス目標達成に対する課題や問題の説明(当然、“それを弊社の製品・サービスが解決します”というメッセージが続く)
顧客自身が目的と現状が明確に把握できていれば、その阻害要因となっている分野もまた明確化できます。
製品・サービスがもたらす効果・効能のうち、その阻害要因を解決する点が訴求すべきポイントとなります。
また、顧客内で明確ではない場合、まずは提供側が目的(To Be モデル)を示し、そこにたどり着く為のステップとして課題を語ることが必要です。




【自社の信頼性】 ・・・ ”本当に任せて大丈夫なのか?言った通りに実現できるのか?”

特にソフトウェアやサービスといった仕様の定義が難しいものや、全く新しい新製品は、提供される製品・サービスが「信頼に足るかどうか」も重要な判断要素です。
提供企業のブランド以外にも信頼の置けるメディアで取り上げられているかどうか?著名な企業で導入されているかどうか?などが信頼性を担保する要因です。




【現状維持のリスク】 ・・・”なぜ、今やらなければならないのか?”

投資の緊急性や機会損失の存在など、放置している事のリスクについて説明が必要です。
投資には常にリスクが存在します。これが企業に於いて、決断に対する大きな足枷になります。
しかし「投資しないことのリスク」が顕在化すれば、投資を行う判断も得られやすくなります。
また、時間的な緊急性も明確化が必要です。
「今年でなくとも来年予算で検討」は来年も同じ状況になりがちで、いつまでたっても導入されません。




【導入時、導入後のリスクと負荷の軽減】 ・・・ ”導入する際とした後の負荷はどれくらいなのか? 上手くいかなかった場合は?”

導入時点、事後での問題点やリスクとその回避方法を明らかにする
「入れたら得」を理解された後には、「入れるとき・入れた後の問題」を乗り越える必要があります。
新システムを導入する際のチェンジ・マネジメント、段階的導入計画の策定、導入後のメンテナンスやサポートです。
また、状況や製品によりますが、廃棄・乗換のリスクも明示する必要もあります。
特に顧客が特定のベンダーへの依存を嫌う場合や、顧客が撤退戦略(万が一失敗した場合の戦略)を描けない場合、導入の障壁となります。
社内で稟議を通す際には撤退の容易さについても説明が必要です。




【競合分析】・・・”他所では同じことが出来ないのか?”

自社と競合との比較で自社が優位を占める部分と、上記のリスク&ベネフィットの関連性と軽重を明確にする必要があります。
競合が存在する場合、当然導入前に比較されます。その際の自社の優位点を明確にしておく必要があります。
コスト競争力も必要ですが、Lead Generationで扱う商材は消費財と異なる場合が多いため、コスト以外にも優位性を訴える必要があります。訴求すべきベネフィットや機能も「解決力・即応力」や導入し易さ、事後の負荷軽減などが差別化ポイントとなる場合もあります。
場合によっては先ほどの「撤退が容易である」という点も差別化要因となり得ます。






【実際にどうやって企画に使うか】

まあ、現実には全部が全部作り込めるわけでもないのですが・・・。(汗
マーケティングサイドもコミュニケーション戦略を上記に沿って「メリット・リスク・コストの訴求」を行う必要があります。

具体的には、

  ・この展示会では何を訴求すべきか
  ・カタログやWebサイトには何を記載すべきか
  ・Lead GenerationのNurturingではどのコンテンツを用意すればいいのか
  ・メールのタイトルはどういった文言にすべきか

を決める際に指針となります。


特に、Lead Generationに於いて重要となるLead Nurturing(育成)は、上記5つのポイントを段階的に理解してもらう行動だと捉えています。

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