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企業の広告担当15年の現場から儲かる広告とITについて本音を漏らしながら紐解いていきます。

Web MediaのIDがマーケティングにもたらす可能性

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日経新聞電子版が創刊からおよそ1ヶ月が経過し、およそ2週間で30万人を突破しました。また、IT Media IDもおよそ1ヶ月。これらの動向はLead Generationにかかわる人間として非常に興味深くWatchしています。



【古くて新しい、”ターゲティング”の技術】

「Webメディアで登録制のどこが新しいの?」という声も聞こえそう(w もちろんメディアのWeb化と登録制については、それこそインターネットの草創期から実現されている技術です。しかし、こうした「読者ID」を活用する環境がまったく異なります。


- SiteCatalystを始めとした各種Access解析ツール
- 膨大なログを保存・活用するストレージ
- 分析に応じたコンテンツを創造するための各種ツール
- さまざまな場所からアクセスを可能にするデバイス
- AJAXなどの要素技術と、回線やサーバのキャパシティ



こうした様々なテクノロジやサービスが充実・進化することにより、これまで出来なかったことも可能となります。



【B2Bにおけるターゲティングとは?】

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一般的なB2C広告において、ターゲットとする顧客とは「不特定多数」であり、その個人が誰であるかの重要性は低いものでした。
(セグメンテーションは存在しますが、所属情報はかなり大雑把なものでした)
B2Bを謳うメディアでも、「CTR」や「PV」、「CPC」や「Conversion」というメトリクスは存在します。しかし最も重要な「分母が誰か」という概念が欠けているのです。
「おそらくターゲットのはずだ」という反論もあるでしょうが、私自身も含めて、「本当のターゲットが何人いて、そのうちの何人がClickしたのか」という厳密なレベルでは把握が困難と考えます。
ましてや、「本当のターゲット」だけに広告を打つこと、言い換えると「不要なターゲットには広告を打たないこと」は究極の目標でしたが不可能でもありました。



【本当のターゲットはちょっと遠かった】

ここで言う日経電子版やITMedia ID、他にもBP パスポートやCnet IDなどをベースにすれば、かなりのレベルで「本当のターゲット」に近いターゲティングも可能です。たとえば、各社が展開しているターゲティングメールは一般的な広告ツールといえるでしょう。Targetreach_3
ただし、B2Bにおける顧客の購買行動を考えると、バイイングサイクルに合致しない顧客にいくらメールを売っても、売り上げにはつながりません。長期的なブランドやリレーション構築には効果的ですが、オンラインストアに誘導するような場合は、コストが合わないことがあります。
これに対し「行動から顧客かどうか判断し、顧客(っぽい人)にだけバナーを見せる」という行動ターゲティング広告(BTA)という比較的新しい広告手法もあります。
ただ、これも「顧客(っぽい)」とあるように、明確なターゲティングではありません。
良く言われる「従業員○○名以上、情報システム部課長クラス、業務改善に興味ある人」という様なターゲティングは、これまでの技術・サービスでは不可能でした。
IT系ベンダーをはじめ、B2Bを生業とする企業にとって、「大手企業」というのは、売り上げだけでなく自社ブランド(導入実績として)のためにも非常に重要視されます。案件に割ける社内リソースを計算しても、ある程度の企業規模が必要な製品・サービスも多くあります。
また、競合には決して見せたくない情報も、特定企業しか見せられない情報も多々存在します。

これまで、どうしても乗り越えられなかった壁です。



【プロファイルとIDでマーケティングも変わる】

BTAと読者IDがリンクすると、ターゲティングの精度は飛躍的に向上します。
先ほどの「従業員○○名以上、情報システム部課長クラス、業務改善に興味ある人」も、読者IDのプロファイルとBTAの組み合わせで、かなりの確立で判断できます。
例えば、指定セグメントの読者が、BTAのトラッキングシステム上で一定の閾値を超えると、

1) メールが送信され、関連自社サイトへの誘導やWebセミナーのアーカイブの案内が送られる
2) A/Bテストのような可変コンテンツが自動で提供され、プロファイル上のカテゴリ別Conversion Rateが比較できる
3) 指定セグメント以外には広告出稿しない(その分の広告費用を払わなくてすむ)


といったことも可能になります。
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いわゆるNurturingも、こうした顧客IDとプロファイルが認識されて始めて実践的なレベルとして活用可能になります。
漁法でたとえると、目標となる大きな魚、例えば鯛、がいそうなところに投網を投げ、掛かった魚から鯛を探すより、あらかじめ鯛の稚魚を生簀で育て、大きく育った順に水揚げするのと似ています。
食べられる種類か、食べられる大きさに育っているかどうか(または旬か)、は魚を選ぶ上でも重要な判断基準ですが、後工程を担う営業部門のためにも、あらかじめ料理しやすいLeadを用意すべきでしょう。


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