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企業の広告担当15年の現場から儲かる広告とITについて本音を漏らしながら紐解いていきます。

ITとB2Bと広告と

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はじめまして。このたびオルタナブロガーとしてデビューさせていただく中東と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

【はじめに】

広告業界やIT業界の関係者の皆様のBlogは良く拝見しているのですが、クライアントサイド(いわゆる企業の広告宣伝担当)がモノを書くということ自体が少ないと感じています。

私も仕事上、プロの方の文章を拝見している(しかもそれに”校正”という名の文句をつけている)ので、いざ自分が文章を書くと、拙さがバレるのが恥ずかしいという点があります。

校正は得意でも文章をゼロから起こすのは苦手なのです。。。

ただ、せっかく面白い仕事をしており、こうした機会も得ることができたので、この面白さと大変さを書き連ねていきたいと思います。

私自身、消費財からITまで、過去およそ15年に渡り、Marketing Communicationを担当し続けていますが、この業界は過去を振り返ると劇変に次ぐ劇変です。
もちろん、当時はそんな変化に気がついていませんでしたが、あらためて振り返ると大きな変化であったことが良くわかります。

そして、今もなお大きな変化の最中であり、その変化の中で、Marketing Communication部門に期待される役割もまた変化しています。
その変化に翻弄され一喜一憂するマーケターとして、自分の経験や意見が読んで頂いている方のお役に立てればと考えていますので、お付き合いいただけると幸いです。

【極論:ITと広告って根本的には同じなんです。】

さて、最初のお話ですが、ITと広告について雑感を、と思いながら見出しは極論から入ります。広告はやっぱりインパクトですからw

私自身、IT業界で広告や需要喚起の仕事についており、「情報」という概念を考える機会が多い職業です。
情報とは、「何らかの知識」や「伝えるべき(伝えたい)事」、コンテンツ、メッセージなど、発信者から、何らかの媒体を通じて受信者に伝達される一定の意味を持つ内容、だと言えます。

通常、われわれが仕事をする際、自分ひとりで完結できることは限られています。
何かを作る際も、取引先の工場に依頼したり、お金の支払いも銀行に依頼したり、相手に何らかの依頼(情報)をやり取りすることが必要ですね。
そのため、ITの世界ではInternetのテクノロジを基盤として、メール、グループウェアやCRM、ERP、といったソフトウェアを活用し、それを動かすためのプラットフォームとしてハードウェアやネットワークが構成されます。(オルタナの読者の皆さんには言わずもがなですね。)

一方、広告も、「特定の目的(主に商業目的)のために、ある情報を何らかの媒体を使って、特定または不特定多数の受信者に幅広く伝達すること」と定義できます。
これまでは効率的な情報伝達媒体が限られていた(TV、新聞、雑誌、ラジオなどの4マス媒体と郵送DM、屋外広告など)のですが、インターネットの浸透により、新たな情報伝達手段として活用されているのも御存じの通りです。

文章で書くと何のことやらわからないのですが、簡略化した図で見ると、良く似ている事がわかります。

つまり「特定の人に特定の目的のために特定の情報を届ける」という点ではITも広告も同じなんです。

かなり暴論ですが、従来の(とくに4マスを主体とした)広告というのは古いIT(情報技術)だったと言い換えることもできます。
Photo_3

【広告宣伝担当者を悩ませるITの特徴】

一方、ITには双方向性という特徴があります。
これまで、広告とは読んで字のごとく、「広く告げる」すなわち発信が主な役割でした。
ところがITの世界ではリーチしたターゲットからレスポンスを簡単に取れます。故にレスポンスを基にビジネスを!と直販サイトを立ち上げたり、CRMやSFAを導入して案件管理したりできるわけです。

ただ、これが我々広告宣伝担当者を悩ませるのです。。。

そう、広告屋さんの得意分野は情報を発信することです。基本的に広告会社さんも媒体社さんも、発信(Outbound)には非常に強い。良いデザイン・良いコピー、効果的なメディアの選定はやはりすごいと感じることも多いですね。
しかし、情報を受け取ること(Inbound)に慣れていないので、どんな情報が来るのか、どうやって対処するのかにノウハウが非常に少ない。
上記の図でもわかるように、過去に於いて、基本的に広告は一方通行でした。

そして今、ただ情報を受けるだけでなく、その情報を整理して保管したり、必要に応じて再抽出したり、分析したり。。。 これまで全く把握できなかった「Inbound」や「Response」の管理が課題として見えてきているのです。

ここ数年、こうした事柄に取り組んできたので、そのお話も含めて、クライアントサイドからみたITと広告とお金儲け(需要喚起のことですよ!)について書いていくつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします。

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