良くないことを言いにくい組織や人のほぐしかたについて考える
「悪いニュースは小さいうちに早く!」
この標語は元の職場で良く耳にしていて、しかも、完全に守られることがなかったように思います。
- ちょっとしたミスがあった
- お客さまともめている
- 納期や予定が守れそうにない
新入社員の頃の研修で、「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」で、報告は聞かれる前にするものだと習っているにもかかわらず、なんだかこうなってしまうのが「悪い知らせ」(Bad News)ではないでしょうか。職場に限らず、あらゆる人の集まりにおいて何かを一緒にやろうとするとこのようなことは自然と起きてしまうのではないでしょうか。
もちろんその人の「ちょっとした勇気」の問題や(リーダーシップと言うとちょっと大げさな感じですが)、聞く側と言った個人の課題とのなるのかもしれませんが、組織開発のメガネで見てみるとこれは「組織そのものの課題」と見ることもできるんです。
- 個人を見るメガネ 言えない原因を探り、何かしらの対策を立てる
(特徴:ある特定の個人だけがその課題を引き起こす) - 組織を見るメガネ 関係がどのようになっているのかを見てゆく
(特徴:ランダムに起きる メンバーが変わっても起きる)
問題や課題を個人のものとすることは簡単です。しかし、システムと呼ばれる共同の目的を持った人の集まりにどのような影響があってその問題が起きてゆくのかを見てゆくと、その人だけが悪い・できないと言うことではなく対策する方法も見えてくるんです。
最近は大手自動車会社での隠蔽体質が問題になっていました。
「悪い知らせ」について、もちろん声をあげた人もいることでしょう。(と、思いたい!)しかし、それを上回る「隠さないといけない理由」があったはずです。
そこを見つけないで、関連した人を処分したところでまた課題は何かしらの形で残ってしまうことでしょう。組織の問題としては、未解決のまま。
組織開発の中で「elephant in the room」という造語があります。
英語では「言いにくいこと」と訳すそうですが、組織開発の中では「みんなが見て見ぬフリをしていること」を探してゆくことが大切だと言われています。
- お互いを思いやって言わないでいること
- 言うことで関係が悪くなってしまうことを恐れている
- 発覚すると面倒なことになる
- 目をそらしていた方がお互いに仕事がしやすい
- 自分にお鉢が回ってきそうで目をそらしていたい
関係の中にこんな「象」がいるように思えたら、お互いに安全であるよう了解をとって穏やかに話し合ってみることをお勧めします。
そのことだけでも、お互いに安心して本来やるべきことに集中できると思いますよ。
ちなみに個人的に我が家のテーマは、お墓問題です。
父は三男であるため、両親は家は万が一に備えてお墓の準備をしておきたいねと思っています。ただ、弟は自分にとってピンときていないし「墓守」という役割や面倒に感じるのかもしれません。いつも集まってもこの話題は先送りのまま。
今年中になんとか目処がつくよう、意図して「象」についてチャレンジしようと思います。
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