帝王学の歩き方:良いことが裏目にでることもある 「相惜顔面」
昨日からご紹介している「帝王学 貞観政要(じょうがんせいよう)の読み方」には、時折耳が痛いことも書かれている。
ただし、時を超えて同じようなことがリーダーのテーマになっているということも同時に見えてくるものです。
人の意見は一致しないのが普通である。そこでその是非を互いに論じ合うのは、本来、公事のためのはずである。ところがある者は自分の足らないところを隠し、その誤りを聞くのを嫌い、自分の意見に対してその論ずるものがあれば自分を恨んでいると思う。これに対してある者は恨まれて私的な不和を生ずる事を避け、また「相惜顔面」すなわち互いに相手の面子を潰しては気の毒だと思って、明らかに非であると知っても正さず、そのまま実施に移すものがいる。一役人の小さな感情を害する事を嫌がって、たちまち万民の弊害を招く。これこそ、まさに亡国の政治である。
「貞観政要」の中には学ぶべき点があるが、何やら日本の欠点を指摘されているような気持ちになるのがこの部分である。前に塩野七生氏と「コンスタンチノープルの陥落」について対談した時、その国の興隆に導いた要因が裏目にでると、それがそのまま国を亡ぼす要因となる、と私がいうと、氏は即座に賛成され、間髪入れず、日本の場合はそれが「和」であろうと指摘された。
「ことなかれ主義」という言葉があって、時にはことを荒立てることなくやり過ごすことも思いやりであり自分を守るための大切なことだとも思います(特に疲れている時には)。その一方で、しっかりと話し合うことなくやりすごくことが悪い結果につながっていることがあるというもの事実です。特に時間を言い訳にすると、効率重視で長い議論は歓迎されません。
システムコーチングの観点で組織を見たとき、ときにその組織で大切にされている良いことが悪い結果につながっていることが見つかります。その組織にどっぷりいると、客観的に組織の状態について見ることがしにくくなるので内部の人にはなかなか見えないという組織のトリックみたいなところもいつも巧妙だなとつくづく感じるところです。
時には誰かと客観的に自分の組織を見つめてみてはいかがでしょうか。
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