上司に厳しいオンナ
3月の話になりますが、日本プロジェクトマネージメント協会(PMAJ)にて、「ボスマネ・コーチング」というテーマで例会の講師をさせていただきました。その反響がボディーブローのようにちょこちょこございまして、ちょっと興味を持ってその話を振り返ってみたいと思います。
「ボスマネージメントとは?」部下が主体となり上司とよりよい関係を築き、目標を達成するために上司に積極働きかける(マネージメントする)考え方です。
MBAなどでもこのような教育があるようです。日本人にとって「マネージメント」という言葉に独特な連想させるものがありますので「上司を管理する?」となりがちですが、いわゆる「意図的な協働関係を構築し、成果をあげる」と解釈していただくといいと思います。
この講座の中で何がヒットしたのかというと(きっと)、私がサラリーマン時代をふりかえり「上司に厳しいオンナでした」という話をしたことにあるのではないかと思っています。でも、実際はそんな部下でした。(今さらですが、本当にすみません!)言い訳がましくその時の自分の心情を思うと、「上司は自分よりできてあたりまえ」「上司は部下の様子を知っていてあたりまえ」と思っていたのです。上司という立場についての強い期待が、自然と私にそんなマインドセットをもたらしていたのでした。(後々になってこういうのは甘えだと知って落ち込みましたけど・・・。)
しかし、今さらながら
- 上司にも知っていることと知らないことがある
- 上司にも強みと不得意なことがある(自分が強みを活かした方が良い場合もある)
- お互いにちがった体験をしているからこそ、考え方が違う
ということがわかってきた時に、「なんであんなにプリプリしていたのだろう」という自分や、上司に対して自分に期待があったことを理解し、同時に当時の上司はこの困ったちゃんの私を諦めずに指導していただき神様のような方だったと思えるほどになりました。(まだ御健在ですし、ちょっとオーバーか!?)
恐らくこの「ランク(上下関係や、特権の有無)」がある中での理解が自然と難しくさせてしまうのでしょうし、そこを超えて寄り添う・理解し合うということは当時の私には全く想像にも無い世界だったのでは無いかと思います。相手に対する「思い込み」に他なりませんよね。
実は面白ことに、在職中に少しこの距離が埋まったのにはこんなきっかけがありました。あるきっかけで私は「コーチング」を学び始めたました。学びの中には上司が知っていた方が良い知識もたくさんあると勝手に感じ、学んだことを上司に伝えようとしてよく話していました。(どんだけ偉そうなんだ!私。)
忙しい中そのクドイ話に耳を傾けてくださり、「上田さんは勉強家なんだなぁ」「自分たちの時代とは考え方が変わってきたんだなぁ」と、ただただ評価判断することなく話を受けとめてくれました。
この「あなたは知らない・私は知っている」という不思議な感覚を私は少しずつ味わうことによって、お互いの違いを理解できるようになってきたのだと思います。自然と。
このブログを読んでくださった皆さんの部下に、私のような「上司に厳しいオンナ(または、部下)」はいらっしゃるでしょうか?
その立場に寄り添ってみると、「だって、上司に期待しているんですもん!」と心の声を代弁したくなってしまいます。そして、当時の私には「その熱意に拍手と、お互いが違うからこそ寄り添って協力関係を」と伝えてあげたくなります。