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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

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JavaOne 2008 のようなイベントでは、各社が様々な発表を行います。サンでも、いくつか、新しい方向性を示唆する発表がありました。

1.米国サン、CommunityOne会場でOpenSolarisのリリースを発表

CommunityOne というのは、JavaOne の前日(5/5)に行われた、オープンソースの各団体が一堂に会して、話し合ったり、現状や将来について講演したコンファレンスです。Apache、 Linux、Python、SAMBA、MySQL、PostgreSQL、GlassFish、NetBeans、Eclipse、などなど。 OpenSolaris もその団体のひとつで、そのOpenSolarisコミュニティとサンが共同で、OpenSolaris 2008.05 という新しいリリースの発表となったわけです。さらにアマゾンElastic Compute Cloud(Amazon EC2)上でOpenSolaris Operating System (OS)の提供を開始する発表も行いました。

2.Sun GlassFish Enterprise Server Version 3 のプレビューリリースの発表

GlassFish は、Java EE の開発実行環境(アプリケーション・サーバ)のオープンソースプロジェクトで、今回の発表は、そのプロジェクトの成果を製品にします、ということです。 MySQL というたいへんポピュラーなオープンソースの事例が同じ企業の仲間になったので、良いことはまねしよう、と、GlassFish も製品化とサポート、ライセンスの形態を MySQL と似通ったものにします。

MySQL では製品版を MySQL Enterprise Server と呼びます。ですので、GlassFish の製品版を Sun GlassFish Enterprise Server と呼ぶことにしました。実は、いままでもサンは、GlassFish 2の成果を使って、Sun Java System Application Server という製品を提供していました。

今回の改名は、この製品がオープンソースコミュニティから派生した事を明確にするものです。GlassFish のコミュニティは結構大きいのですが、日本ではまだまだ知られていません。こちらが、GlassFish の成果を使っている、ISV パートナーです。すごい数でしょう。日本で名前が知られていない企業が多いです。当然でしょう。変化を起こす企業というのは、最初はいつも小さいのですか ら。

MySQL のライセンスには、Unlimited Pricing (無制限使用のライセンス)があり、GlassFish も同様なライセンスを提供するようです。また、Ericsson 社との共同プロジェクトによる、Session Initiation Protocol (SIP)を利用して、NGN おける IP Multimedia Subsystem を実現する、Sun GlassFish Communication Server。今後の企業に於ける、プロセス間でのメッセージを規定して、ビジネス・プロセス管理を高い次元で実現する、Enterprise Service Bus (ESB)のオープンソースプロジェクト、プロジェクトフジ(富士山のフジです!)を発表しました。

なお、上記すべての発表は、サンが全世界に向けて発信したプレビューのレベルですので、日本で実際どうするか(しないかも含め)白紙の状態で、現在、調整中です。私もそのメンバーのひとりなので、これから忙しくなりそうです。

3.クラウド・コンピューティングに向けて、さらに多くのプロジェクトが稼働

ITmedia Enterprise のニュースで、非常に簡潔かつわかりやすい記事を書いて頂きました。

「Sun、総合的クラウドを提案」

です。詳しくは、こちらをご覧いただくとして、サンが今後の企業の IT に推奨していきたい将来像がここにあります。今後の企業のシステムは、ERP、CRM、SFAなど、レガシーだが重要なサービス・ビジネスロジックだけで なく、Web.next 的なアプリケーション、利益を生むWebサイトなどを作るためのコンポーネントが必要です。それには、サンでは、JavaFX、GlassFish、 MySQL、NetBeans などを持っているが、それ以上に、オープンソースコミュニティやベストオブブリード製品との連携を実現させていく事が重要なのです。

サンは、それを実現したいと思っています。このJavaOne では、最新の製品化という観点と、今後の Java 開発者の方向性を左右するものということで、JavaFX と GlassFish、OpenSolaris に焦点を当てたわけだが、 クラウド・コンピューティングのコンポーネントはこれだけではなく、まだまだ多くのプロジェクトがあり、サンは多くの分野で、これをリードしていくと思わ れます。

■■■
こういった新しい動きがあるなかで、日本は、日本の開発者はどうすればよいのか。優等生の答えは、オープンソースコミュニティに参加しよう!です。英語ですが、オープンソースコミュニティの中で認められる、ということが開発者としてのキャリアにプラスになるでしょう。

さて、こういった動向、方向性を日本の IT の課長さん、部長さんは理解し、自分たちのあり方を思いつくのでしょうか。Web 2.0 は技術的には難しくもなく、使う分野も失敗してもなんとかなる、ベータで行ける部分でした。総合的クラウド・コンピューティングは、IT そのものの変化です。ここで重要になってくるのが、オープンソースプロジェクトなのです。

* 注 * このブログの内容は、サン・マイクロシステムズを代表した意見・見解を述べているわけではありません。

とおる

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高橋徹

高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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