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嵐山光三郎という作家がいる。平凡社で『太陽』『別冊太陽』の編集長を務め、その後、作家・エッセイストとなった。と、言うよりは1982年から始まったフジテレビ系の『笑っていいとも増刊号』の初代編集長の方が有名か?

さらに、2006年『悪党芭蕉』で泉鏡花文学賞・読売文学賞のダブル受賞となり、『奥の細道温泉紀行』『芭蕉紀行』などの本などと合わせ、この人の芭蕉に対する、並々ならぬ思い入れがわかる。芭蕉の俳句評論は、芥川龍之介の『芭蕉雑記』や正岡子規の『芭蕉雑談』を始め、とんでもなく多くの評論や作品紹介・紀行文などがあるが、嵐山光三郎の芭蕉の本はどれも、芭蕉の俳句についての技巧や思想ではなく、芭蕉本人に肉薄し、しかも芭蕉と同じ視点から発句した句を見直している。嵐山氏のご両親とも俳諧の人である。

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おっと、芭蕉の話ではなかった。嵐山氏が『悪党芭蕉』を書いた後、なかなか本が出なかったので、くたびれたのかと思ったら、『とっておきの銀座』(新講社 2007年)などいうエッセー集をこの6月にちゃっかり出しているではないか。

このエッセー集は『銀座百点』という銀座のお店が出している無料の雑誌に掲載された、昼間に出かける銀座の風景やお店の連載『ギンザ散歩』の文章を集めたものだ。ランチ時あたりに友人と銀座に出かけ、ランチを食べ、買い物をする、という、まぁお気楽なエッセーだが、銀座独特の佇まい、気品、懐の深さ、を、嵐山氏独特の観察眼と文章で読むと、なんとも言えず、自分でも銀座に散歩に出かけたくなる。

銀座は何でも高くて、食事は高級、衣服も高級、高級クラブに行って薄い水割りを作ってもらって一時間5万円・・・。というのも本当だが、銀座の懐の深さは、高級なものだけではない。

このエッセーで出てくる品々のうち、一番安いものは煙草専門店銀座菊水のマッチ20円也である。まあ本当はシガーやパイプの高級品もあるが。では、木村屋總本店の桜あんぱんは銀座のあのビルの7階で作っており、それでも126円(消費税込み)である。木村屋總本店であんぱんを買って、歩行者天国でほお張るのはどうだろう。まぁ、 8月9月は暑いので、秋になってからね。

嵐山氏のエッセーに何度も出てくるギンザライオン7丁目店1階のビアホールは、日本初のビアホールで、ここではビールをサーブして40年、神業の海老原さんがビールを注いでくれる。隠れた日本のビール女王にして、ビアハンターであるマイケル・ジャクソン氏も知っている私の友人のsugayaが「なぜっ!」と言って絶句したぐらい、海老原さんの注いだビールは違う・・・。さらには入り口に立って、お客様を迎え入れているのは、ギンザライオン7丁目店の総支配人である。胸の名札を見てください。そして、ビールの値段は他の店とおんなじ!

これも嵐山氏のエッセーに出てくるオーセンティックバー「BRICK」はいわゆるトリスバーである。ここではトリスのハイボールが350円。つまみを頼んでも1000円にならない。しかも内装は実に重厚で、浮ついた雰囲気も、安っぽいイメージもカケラもない。

伊東屋に行けば、普通の文房具が買える。オリジナル商品もある。海外の美しい文具も普通に買える。山野楽器で買うCDの値段も他の町で買う値段といっしょ。ただし、すっげーレア物のCDもあるので、目をさらにして見るよーに、ここ大事!銀座のど真ん中、鳩居堂のとなりのUNIQLOは、田舎の国道にあるUNIQLOと同じ値段、でも、銀座のど真ん中だ。アップルショップ銀座で買うMacもオンラインで買うMacも同じだ。

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銀座の街は飲食店街、ショッピング街として世界最大級の大きさと豊富さがある。東に築地、南に新橋を加えれば、さらに巨大な飲食店街になる。もちろんお店のレベルはピンからキリまであるだろうが、注意深く選んでいけば、安くて美味しいお店、最高を突き詰められるお店など、あなたの好みのお店が必ずある。

銀座独特の風流と粋、古き良きものと新しいもの、世界の超一流ブランドから、手作り風鈴まで、なんでもある。懐の深さ。東京近辺にお住まいの方は、たまにはちょっとオシャレをして、銀座に散歩に出かけてみませんか。東京地方でない方も、折を見て出かけてみてください。私の九州の友人は数ヶ月に一度、いっしょに銀座をぶらぶらして楽しんでいます。

とおる

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高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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